2005 Fiscal Year Annual Research Report
血液脳関門機能障害と精神疾患に関する生体膜輸送生理学的研究
Project/Area Number |
14207104
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (60323036)
淺島 朋子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00400268)
上家 潤一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (10400269)
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Keywords | 血液脳関門 / 脳毛細血管内皮細胞 / siRNA / 有機アニオン輸送 / 尿毒症 / ABCトランスポーター / Oat / Oatp |
Research Abstract |
3-Carboxy-4-methyl-5-proply-2-furanpropionate(CMPF),hippurate(HA),indoleacetate(IA)は腎不全時に血中濃度が上昇する尿毒症物質として知られる。HA, IAはラット有機アニオントランスポーター(rOat3)の基質であり、OAT3の強い阻害剤であるbenzylpenicillin(PCG)はほぼ完全にHAとIAの脳からの排出を阻害した。一方、CMPFはrOat3だけでなく、ラットrOatp2の基質でもあった。CMPFとHAの血液脳関門(BBB)を介した脳からの排出速度は脳内取り込み速度に比べて各々7.9倍、12倍大きいことから、CMPF, HA, IAの脳からの排出にBBBのOat3,Oatp2は重要な役割を果たすことが示された。siRNAは遺伝子配列選択的にsilencing効果を示すことから、血液脳関門機能障害モデルとして条件的不死化脳毛細血管内皮細胞(TR-BBB)を用いてrAbcg2/Bcrpに対するsiRNA効果を解析した。TR-BBB細胞のrAbcg2のmRNA及びタンパク質の発現を顕著に抑制するsiRNA配列(G2-03:Abcg2 cDNA配列450-468番)を決定した。このG2-03はTR-BBB細胞におけるAbcb1,Abcc1,Abcg1のmRNA発現に全く影響しなかった。さらに、マウスOat3に対するsiRNAを作成し、in vivo投与で脳毛細血管内皮細胞へデリバリーした。その結果、PCGの脳からの排出は有意に低下し、Oat3輸送活性を低下させることに成功した。これらの成果をもとに、今後はsiRNAを用いることでBBB機能障害と精神疾患の関係をさらに解明することができる。
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Research Products
(18 results)