2002 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素による健康障害の評価法と食生活による予防に関する栄養学的研究
Project/Area Number |
14208010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小城 勝相 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10108988)
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Keywords | 活性酸素 / ラジカル / 酸化ストレス / 動脈硬化 / 生活習慣病 / 低密度リポタンパク質 / ビタミンC / アポトーシス |
Research Abstract |
以下のことが明らかになった。 1)最近、活性酸素の発生を証明するのに、フルオレシン生成を蛍光で観測する方法が汎用されている。しかし、この方法には疑問がある。今回、フルオレシン生成は活性酸素ではなく細胞内のヘムおよびヘム蛋白の量を反映していることを見つけた。 2)ビタミンCは貯蔵や調理過程で迅速にデヒドロアスコルビン酸(DHA)に酸化される。50年前の研究でDHAの生理活性はビタミンCと等価と考えられている。我々は先にビタミンCの特異的・高感度分析法を確立した。ヒトと同様ビタミンCを合成できないODSラットを用いて検討した結果、DHへの生理活性はビタミンCの10%しかなく、今後栄養所要量などの検討には注意が必要であることを証明した。 3)ヒドロキシルラジカルがアポトーシスに関与するという報告は多い。しかし、実際にヒドロキシルラジカルがアポトーシスを起こすという実験的証拠はない。今回、NP-IIIの光照射によってヒドロキシルラジカルを発生する試薬を用いて、ヒドロキシルラジカルが実際にHL-60細胞にアポトーシスを引き起こすことを証明した。 4)我々が発見したアポBの分解パターンを200人程度のヒトについて測定し、数値化し、B-oxという値を得た。B-oxは、動脈硬化の臨床指標である、LDLコレステロールや頚動脈の内皮中皮複合体肥厚度(IMTと呼ばれ動脈硬化の直接の指標)と有意な相関を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Ohashi, A.Mizutani, A.Murakami S.Kojo, T.Ishii, S.Taketani: "Rapid oxidation of dichlorofluorescin with heme and hemoproteins : Formation of the fluorescein is independent of the generation of reactive oxygen species"FEBS Lett.. 511. 21-27 (2002)
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[Publications] Ogiri, F.Sun, S.Hayami, A.Fujimura, K.Yamamoto, M.Yaita, S.Kojo: "Very low vitamin C activity of orally administered L-dehydroascorbic acid"J. Agric. Food Chem.. 50. 227-229 (2002)
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[Publications] S.Haruna, R.Kuroi, K.Kajiwara, S.Matsugo, S.Kojo, 他2名: "Induction of apoptosis in HL-60 cells by photochemically generated hydroxyl radicals"Bioorg. Med. Chem. Lett.. 12. 675-676 (2002)
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[Publications] R.Hashimoto, N.Matsukawa, M.Tsushima, S.Kojo, 他8名: "Evaluation of apolipoprotein B-100 fragmentation and cross-link in the serum as an index of atherosclerosis"Biochim. Biophys. Acta. 1584. 123-128 (2002)