2005 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素による健康障害の評価法と食生活による予防に関する栄養学的研究
Project/Area Number |
14208010
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小城 勝相 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10108988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市 育代 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (50403316)
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Keywords | 活性酸素 / 動脈硬化 / 酸化ストレス / ビタミンC / ビタミンE / 低密度リポタンパク質 / MAPK / 細胞死 |
Research Abstract |
1.ヒト低密度リポタンパク質(LDL)には大きさで分離するといくつかのサブクラスの存在が知られている。なかでもSmall dense LDLと呼ばれる部分が多い人には心臓血管系障害のリスクが高いことが知られている。このSmall dense LDLの生成機構についてはこれまでリパーゼなどのイオン反応が提唱されているが、今回、酸化反応がその生成機構であることを提唱した。単離LDLをラジカル反応させると、まずα-トコフェロールが減少し、α-トコフェロールが消失するころに誘導期が終わり、234nmの吸収が増大する。それと同時にアポBとLDLの粒子径が減少した。血漿を酸化した場合は、α-トコフェロール、アポB、LDL粒子径が同時に減少した。以上から、酸化反応によってLDLの径が小さくなることがわかり、LDLの粒子径を簡便に測定することができれば、動脈硬化の診断指標になると考えられる。 2.アポトーシスを起こした細胞は炎症を防ぐために自分が死に行くことを周りの細胞に伝え貪食される。これを"eat-me-signal"と言っているが、その代表が細胞膜表面に露出してくるホスファチジルセリンである。実際にFasでアポトーシスを起こさせた細胞膜の外側にホスファチジルセリンが漏出することを化学的に証明した。 3.天然物である2-O-(β-D-glucopyranosyl)ascorbic acidの酵素的合成法を確立するとともに、ODSラットを用いて実際にビタミンC活性を持つことを証明した。これにより安全で自動酸化されない新たな食品添加物として汎用されることが期待される。
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Research Products
(5 results)