2002 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバーセンシングに基づく高機能核融合中性子計測系の開発
Project/Area Number |
14208051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井口 哲夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60134483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓜谷 章 産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (10213521)
渡辺 賢一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30324461)
河原林 順 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80283414)
西谷 健夫 日本原子力研究所, 核融合工学部, 主任研究員
笹尾 真実子 核融合科学研究所, 開発研究系, 助教授 (00144171)
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Keywords | 核融合 / 中性子計測 / 光ファイバーセンシング / 核反応プラズマ / プラズマ診断 |
Research Abstract |
本研究は、光ファイバーを用いた放射線センシング技術をもとに、従来機能別に検討されてきた核融合中性子計測系(中性子発生率モニター、中性子発生プロファイルモニター、中性子スペクトロメータ)をほぼ同一測定原理で実現・統合化する新しい核融合中性子計測系の開発を目的としている。具体的には、異なる特性の有機材系光ファイバーやシンチレータ材を位置検出型光電子増倍管とうまく組み合わせ、それらに入射した核融合中性子との相互作用で生じる発光量と発光位置を三次元的に同時測定する要素技術開発をベースに、機能の統合化された核融合中性子計測システムの基本設計・試作・性能実証を行うものである。 平成14年度に実施した研究概要と成果は、以下の通りである。 (1)計測システムの構成要素となる通常プラスチック光ファイバー、高性能プラスチックシンチレーティングファイバー(大口径、二重被覆型)につき、各種放射線(高速中性子、γ線、β線、ミューオンなど)に対する発光効率や減衰長などの基本特性を実験的に評価した。 (2)複数のプラスチックシンチレーティングファイバーの両端にフラットパネル位置検出型光電子増倍管を取り付け、光伝播時間差をチャンネル毎に識別測定することで入射中性子の位置検出を行う方式について、DT中性子ビームを用いた基礎実験を行い、空間分解能などの基本性能を明らかにした。 (3)有機液体シンチレータ中に波長シフト光ファイバーを格子状に挿入して、高速中性子によるシンチレータ内発光を二次元(または三次元)的に検出する新方式を考案し、検出器の部分試作によって測定原理を実証した。 以上、本研究提案の基軸となる要素技術に関して、センサー素材の基本特性の把握とともに、測定原理を実験的に確認した段階にあり、今後、センサー動作の理論モデルの構築とそれに基づく性能改善の検討を行い、具体的なシステム開発へ繋げていく予定である。
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