2002 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒パルスラジオリシス法によるナノ構造内反応機構の解明
Project/Area Number |
14208060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古沢 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20251374)
関 修平 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30273709)
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50210729)
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Keywords | フェムト秒パルスジオリシス / ナノ構造 / ナノテクノロジー / モンテカルロシミュレーション / 空間分布 / 拡散方程式 / 反応機構 / 時間挙動 |
Research Abstract |
電子線やX線の物質の相互作用は主にイオン化である。その際に放出せれる電子が熱化に至る飛跡は凝縮系では、平均1ナノメータから10数ナノのメータに及ぶと報告されているが詳細は不明のままであった。ナノリソグラフィにおいてはイオン化において呼び出した電子と他の物質が様々な反応をすることにより、最終的な微細加工が行われることになるので、電子の分布はナノ加工の精度を決める大きな要因になる。一方、電子線やX線によるナノメータ加工で要求される加工寸法精度は2〜3ナノメータであり、このままでは加工寸法精度を達成できないことになる。本年度は、直鎖型炭素系高分子のモデル化合物にドデカン、クレゾールノボrックやポリヒドロキシスチレンのような芳香族高分子のモデル化合物にベンゼン、キシレン、トルエン、さらにハロゲン含有高分子のモデル化合物として、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素を用いフェムト秒パルスラジオリシス実験を行った。放射線照射によるイオン化で生成したカチオンラジカルと電子はフェムト秒・ピコ秒時間領域では不均一反応を起こすため、中間活性種の時間挙動を測定することにより、中間活性種の空間分布を推定することが可能である。本研究では、この原理に従い、中間活性種のフェムト秒・ピコ秒領域の時間挙動から、電子の空間分布をシミュレーションにより算出する手法を開発し、それぞれのモデル化合物での初期分布の違いを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Saeki, T.Kozawa, Y.Yoshida, S.Tagawa: "Study on Radiation-Induced Reaction in Microscopic Region for Basic Understanding of Electron Beam Patterning in Lithographic Process(II)"Jpn.J.Appl.Phys.. 41. 4213-4216 (2002)
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[Publications] T.Kozawa, A.Saeki, Y.Yoshida, S.Tagawa: "Study on Radiation-Induced Reaction in Microscopic Region for Basic Understanding of Electron Beam Patterning in Lithographic Process(I)"Jpn.J.Appl.Phys.. 41. 4208-4212 (2002)
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[Publications] Y.Matsui, S.Seki, S.Tagawa: "Direct Observation of Intra-molecular Energy Migration in s-conjugated Polymer by Femto-second Laser Flash Photolysis"Chem.Phys.Lett.. 357. 346-350 (2002)
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[Publications] S.Seki, Y.Matsui, Y.Yoshida, S.Tagawa, J.R.Koc, M.Fujiki: "Dynamics of Charge Carriers on Poly[bis(p-alkylphenyl)silane]s by Electron Beam Pulse Radiolysis"J.Phys.Chem.. B106. 6849-6852 (2002)
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[Publications] S.Seki, Y.Terashima, K.Kunimi, T.Kawamori, M.Tashiro, Y.Honda, S.Tagawa: "The Effects of Free Volumes on Charge Carrier Transport in Polysilanes Probed by Positron Anihilation"Radiat.Phys.Chem.. 65. 452-458 (2002)
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[Publications] 古沢孝弘, 誉田義英, 木村徳雄, 吉田陽一, 田川精一: "ナノ量子ビームによるナノ微細構造の創出と探索"マテリアルインテグレーション. 第15巻第10号. 36-39 (2002)