2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14208076
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲垣 冬彦 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (70011757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 正隆 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90322825)
小椋 賢治 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (14780469)
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Keywords | 好中球活性酸素発生系 / 蛋白質間相互作用 / SH3ドメイン / 活性化機構 / 新規NMR技術 / p47タンデムSH3 / PRRペプチド |
Research Abstract |
NADPHオキシダーゼは好中球活性酸素発生系の本体であり,膜蛋白質Cyt b_<558>(gp91およびp22)および細胞質因子p47,p67,p40,Racより構成される。活性酸素の発生は厳密に制御されている必要があり,そのため,NADPHオキシダーゼは何段階にもわたる制御機構をもっている。本研究では,活性酸素発生の最初のトリガーとなるp47タンデムSH3ドメインとP22のPRRとの相互作用様式を明らかにした。まずはじめに,p22のPRRペプチドの同定を行った。最少のPRRペプチド存在下では,タンデムSH3はアグリやすく,20残基程度C端側に伸ばしたペプチドと安定な複合体を形成することを明らかにした。X線小角散乱により,ペプチドフリーおよび結合状態のタンデムSH3の形状を比較した。フリーは80A程度まで伸びた構造をとるのに対し,複合体は60Aとコンパクトな形状を取ることがわかった。そこで,複合体の立体構造をNMR法を用いて決定した。三核三次元,三核四次元NMRの測定を行い,シグナルの帰属を行い,NOEスペクトルより距離情報を集めた。構造計算の結果,p22PRRをタンデムSH3は共同して認識していること,また,SH3の間に相互作用が確認できたことから,20残基のPRRペプチドのN端,C端をタンデムSH3それぞれが認識していること,複合体は全体としてコンパクトな形状を取ることが明らかとなった。この結果はX線小角散乱の結果と一致する本研究により,好中球活性化の最初のステップの分子機構が明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ponting, C.P.: "OPR, PC and AID : all in the PB1 family"TIBS. 27. 10 (2002)
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[Publications] Ogura, K.: "Solution structure of N-terminal SH3 domain of Vav and the recognition site for Grb2 C-terminal SH3 domain"J. Biomol. NMR. 22. 37-46 (2002)
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[Publications] 吉永 壮佐: "新規ドメインPB1の構造と機能"蛋白質 核酸 酵素. 47. 941-947 (2002)
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[Publications] 稲垣 冬彦: "Grb2を介するシグナル伝達の構造生物学"生化学. 74. 1229-1236 (2002)
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[Publications] 稲垣 冬彦: "SH3相互の新規認識"Medical Science Digest. 29. 78-81 (2002)