2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14208081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三木 邦夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10116105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜田 昭子 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70273430)
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Keywords | 光回復酵素 / 体内時計 / CRY / 結晶化 / X線回折実験 / DNAグリコシラーゼ / 塩基除去修復 / Neil1 |
Research Abstract |
本研究は光回復酵素などのDNA修復酵素と密接な関係にあるタンパク質の結晶構造を決定し,その構造と機能の関係を解明することを目的とする. CRYは光回復酵素と高い相同性を持つもののDNA修復活性は持たず,動物の体内時計を制御する因子として働く酵素である.この酵素は光受容体の補因子としてFADと第二クロモフォアを持つ特徴がある.昨年はショウジョウバエ由来のCRYについて組換えタンパク質の発現系の構築,高発現する培養条件の検討,精製手順の検討及び結晶化条件の検索を行った.本年度は,得られた組換えタンパク質を用いて結晶化条件のさらなる検索を行った.沈殿剤にPEGを使用し,イオンを含んだ多数の条件で結晶が得られることがわかったので,より良質な結晶を得るために最適化条件を検討したところ,20%PEG3350と0.2M硝酸アンモニウム(pH8.0)の条件でクラスターではあるが,X線回折実験に十分な大きさの結晶が得られた.大型放射光施設において回折実験を行い,最大で1.8Å分解能のデータを得ることができた.結晶は単斜晶系(P2_1)に属し,格子定数はa=93.1Å,b=132.9Å,c=121.3Å.β=109.8°と見積もられた. ほ乳類の塩基除去修復に関与するDNAグリコシラーゼとして見いだされたNeil1は,大腸菌のendonuclease VIIIと相同性があり,MutMスーパーファミリーに属するタンパク質である.昨年はマウス由来Neil1の組換えタンパク質の高発現系と精製方法を確立することができた.しかしこの状態で得られたタンパク質は不活性型が混入しているため,それを取り除く為にDNA損傷を含む二本鎖オリゴDNAと結合させてから精製することで均一なタンパク質を得ることができた.本年はDNA複合体の結晶化条件検索を中心に行っているが,まだX線回折実験に十分な質の良い結晶は得られておらず,引き続き条件検索を行っている.
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