2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規開発NMR法によるH^+-ATP合成酵素回転触媒機構の解明
Project/Area Number |
14208082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿久津 秀雄 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (60029965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 敏道 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20242381)
八木 宏昌 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (70332749)
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Keywords | 溶液NMR / 固体NMR / H^+-ATP合成酵素 / 区分安定同位体標識 / βサブユニット / 巨大タンパク質 / 構造解析 / サブユニットc |
Research Abstract |
本年度は3年間の仕上げとして、回転触媒機構の駆動力がどこから来るかを明らかにすることに重点的に取り組みこれを明らかにすることができた。具体的には、モノマーβサブユニットのリガンド結合による構造変化の実態解明に焦点を絞った。βサブユニットは分子量5万のため、標識部位が異なる4種の区分標識体を作成して主鎖シグナルの90%を帰属し、2次構造を推定した。さらにN末端およびC末端のみが標識されているものでResidual Dipolar Coupling(RDC)をそれぞれについて測定し、N末端とC末端の相対配置の決定を試みた。RDCはN末端ドメインで65個、C末端ドメインで40個観測された。βモノマーのみの構造は報告されていないためα_3β_3の結晶構造からβサブユニット部分を使って計算値を求めた。観測されたRDCを全て使って実測値と計算値をフィットさせた場合両者に良い一致が見られなかった。これは計算値に正確なモノマーβの構造を使っていないことによるものと考えられる。よって2次構造をとっている領域のみでフィットを行った。その結果、比較的良い一致がみられ、それから求めたN末端とC末端の相対配置はADPがある場合ではopen、ない場合ではclosedに近い結果が得られた。以上よりβサブユニットはモノマーのみでもα_3β_3γ複合体で見られたようなopenからclosedへの構造変化を起こすことが示唆された。このことからリガンド結合によって引き起こされるβサブユニットの構造変化はF_1の回転の駆動力になりうることが明らかになった。さらに、H^+-ATP合成酵素の膜に煙まっている部分であるF_0ドメインを構成するcサブユニットの^<13>C,^<15>N均一標識試料を得て、有機溶媒中および固体での構造解析で重要な成果を上げた。この結果はc-ringの回転メカニズムに重要な示唆を与えるものである。
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Research Products
(6 results)