2005 Fiscal Year Annual Research Report
1分子イメージング法による神経成長円錐ガイダンス機構の解明
Project/Area Number |
14208083
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
原田 慶恵 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10202269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 知己 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80332378)
三木 俊明 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10239204)
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Keywords | シグナル伝達 / 神経成長円錐 / 可視化 / 1分子 |
Research Abstract |
我々は神経成長因子(NGF)に蛍光色素Cy3を標識し、この蛍光NGFを用いて、NGFが神経末端に存在する成長円錐膜上の受容体と結合し、取りこまれた後に逆行性軸索輸送によって細胞体に送られる過程を解析している。これまでの研究で、NGFが受容体に結合してから、どのような過程を経て軸索輸送されるのかを明らかにした。まず、NGFは、成長円錐膜上の受容体と結合し、初めラメリポディア膜上で2次元拡散運動をおこす。このとき、Cy3-NGF・受容体複合体は細胞外に露出した状態である。しかし、やがて、細胞内アクチンメッシュワークの動きによって成長円錐の周縁から中心部に向かって輸送される。この輸送が開始されるときにはCy3-NGF・受容体複合体はまだクラスターを形成していない。この輸送の途中、おそらくはラメリポディアのアクチン骨格系と、神経軸索の微小管系が接するTransition zoneと呼ばれる領域でCy3-NGF・受容体複合体は細胞内に取りこまれる。細胞内に取り込まれたCy3-NGF・受容体複合体は徐々に大きなクラスターを形成していく。クラスター化したCy3-NGF・受容体複合体の一部が軸索輸送によって細胞体に向かって運ばれていく。NGFの動きは今回の研究によって明らかになったので、今後は、蛍光タンパク質を用いた受容体の可視化や、細胞内シグナル伝達分子の可視化と合わせて実験をすすめていくことにより、細胞内部に光を入れようと考えている。
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Research Products
(10 results)