2004 Fiscal Year Annual Research Report
セリン-スレオニンキナーゼ型レセプターの細胞生物学的作用の研究
Project/Area Number |
14208087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮園 浩平 東京大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90209908)
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Keywords | TGF-β / 血管新生 / ES細胞 / BMP / 骨芽細胞 / シグナル伝達 / 受容体 / 細胞分化 |
Research Abstract |
1)未分化なマウス胚性幹(ES)細胞の分化に与えるNodalやActivin、BMPなどのTGF-βスーパーファミリーの因子と、そのセリン-スレオニンキナーゼ型レセプターの作用を研究した。その結果、抑制型SmadであるSmad7や、転写抑制因子であるc-SkiはES細胞の増殖を強力に抑制した。一方、NodalやActivinは無血清の条件でES細胞の未分化な状態を維持しつつ、増殖を促進することを明らかにした。一方、BMPはマウスES細胞に対して明らかな作用を示さなかった。 2)血管内皮細胞と平滑筋細胞の相互作用を中心にセリン-スレオニンキナーゼ型レセプターの作用を明らかにすることを目的に研究を行なった。マウスES細胞由来の血管前駆細胞の分化に与えるBMPの作用を検討したところ、BMPの標的遺伝子であるId-1の発現亢進と細胞増殖促進が無血清の条件で見られた。さらに血管前駆細胞のアポトーシスはBMPによって抑制されることが明らかとなった。 3)抑制型Smadの立体構造をもとに、セリン-スレオニンキナーゼ型レセプターと抑制型Smadがどのように相互作用するかを分子レベルで検討した。その結果、Smad7のL3 loopに相当する部分がTGF-βやBMPレセプターとの特異的結合に重要であることが明らかとなった。TGF-βレセプターとの結合にはL3loopを中心にいくつかの塩基性アミノ酸が重要であることが確認された。一方、BMPレセプターとの結合にはより限られた塩基性アミノ酸のみが関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)