2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14208095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 富士夫 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (20089882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 亘彦 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (00191429)
玉田 篤史 大阪大学, 理化学研究所・脳科学総合研究センター, 研究員 (60270576)
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Keywords | ラット / 仔胎 / エレクトロポレーション / 細胞移動 / 領域特異性 / GFP / 器官培養 / 大脳皮質錐体細胞 |
Research Abstract |
脳の構築は領域特異性が作られることによって達成される。これは部位特異的に発現する転写制御因子やその制御を受ける分化誘導因子の働きによるが、脳の特定の領域に存在する細胞は均質というわけではなく、領域内に存在するニューロンに多様性があることは脳の情報処理にとって極めて重要である。同じ転写因子や分化誘導因子の制御を受ける脳の部位で生じる神経細胞の多様性の形成には、領域を越えて起こる細胞の移動が重要な役割を果たしているものと考えられる。本研究では、何故これらの細胞は生まれた場所を去り、遠く離れた部位に移動して行くのかという疑問の解明を目指しておこなった。 昨年度、我々は培養系における大脳皮質錐体細胞の起源と移動動態、及びその形態分化の解析を主に行った。本年度は大脳皮質を構成するもう一つの細胞である、GABA作動性介在ニューロンに焦点を当て、その領域間移動の解析を行った。そのためグルタミン酸脱炭酸酵素であるGAD67の遺伝子座にGFP遺伝子を組み込んだマウス、GAD67-GFPマウスの胎仔を用い、皮質に脂溶性色素であるDiIを注入し、数日後に標識細胞の皮質での分布を調べた。その結果、DiIによって標識され且つGFP陽性の細胞が皮質の広い範囲に分布していることが確認できた。興味深いことにそのような細胞の一部は皮質深部に向かって移動をしていた。以上の結果は脳の表面つまり辺縁層では、GABA作動性介在ニューロンは領野を越えて拡がって行く可能性を示唆している。
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Research Products
(6 results)