2002 Fiscal Year Annual Research Report
収束超音波による非侵襲的骨切断システムの基礎的研究
Project/Area Number |
14208102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土肥 健純 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (40130299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 勧 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40323597)
中村 耕三 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60126133)
松本 洋一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60111473)
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50178597)
久田 俊明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40126149)
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Keywords | 収束超音波 / 骨きり術 / 音波シミュレーション |
Research Abstract |
整形外科領域等では、大腿骨の延長術や寛骨臼切除移動術など、骨を切断する治療が少なくない。これらの手術においては、皮膚および筋肉組織を切開した上で、医師の直視下で骨を切断している。その結果、患者には大きな手術痕が残り、精神的・肉体的に負担となる。そこで本研究では収束超音波を用いて皮膚に切開を加えず、非侵襲的に骨を切断するシステムの開発を主たる目的とする。特に複数の組織が存在する生体内では超音波の減衰や拡散が複雑に起こり、任意に制御するのは難しいことを踏まえて、研究初年度の本年度は、実際に動物骨に収束超音波を照射する実験と、生体組織を介して骨に収束超音波を照射するシステムを再現したシミュレーションの双方を比較する。これにより、発生する現象の解明を行い、骨切断に最適な条件を特定する。 まず、システム開発の基礎的研究として、実際に豚の骨に収東超音波を照射する実験システムを構築した。脱気水を張った水槽内に豚骨を固定し、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)素子から波形、振動周波数、素子印加電圧等の照射条件を変えながら骨表面が焦点になるように垂直に照射し、焦点部分に起こる変化を観察した。 次に、集束超音波による骨切術における音波の波動方程式を,Finite Difference Time Domain methodを用いて解明するシミュレーションソフトウェアを開発した。 最後に、開発した実験システムとシミュレーションを用いて実測実験を行い,双方を比較した。超音皮を30秒間照射した後の、トランスデューサの中心軸上,骨表面から2.2mmの深さの点での温度上昇を測定し、同点における、シミュレーションで得られたエネルギーとの比較を行った。初期振幅1MPaに対して、集束点付近では8MPaにまで集束した。また、シミュレーションによって得られたエネルギーと、測定された温度上昇の比較を行い約90パーセントの一致率を得た。 来年度以降は、トランスデューサの高出力化、シミュレーションの三次元化を目指し、臨床応用への布石とする。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Morikawa S, Inubushi T, Kurumi Y, Naka S, Sato K, Tani T, Haque HA, Tokuda J, Hata N: "New Assistive Devices for MR-guided Microwave Thermocoagulation of Liver Tumors"Academic Radiology. 10. 180-188 (2003)
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[Publications] Hirose M, Bharatha A, Hata N, Zou KH, Warfield SK, Cormack RA, D'Amico A, Kikinis R, Jolesz FA, Tempany CMC: "Quantative MR Imaging Assesment of Prostate Gland Deformation before and during MR Imaging-guided Brachytherapy"Academic Radiology. 9(8). 906-912 (2002)
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[Publications] 大橋晃太, 波多伸彦, 松村有子, 緒方徹, 佐久間一郎, 矢作直樹, 土肥健純: "骨穿孔小型軟性ドリルを用いた骨髄移植用 造血幹細胞採取マニピュレータの開発"日本コンピュータ外科学会誌. (印刷中). (2003)