2003 Fiscal Year Annual Research Report

気候変動・海面上昇に対する適応策に関する総合的研究

Research Project

Project/Area Number	14209003
Research Institution	Ibaraki University
Principal Investigator	三村信男茨城大学, 広域水圏環境科学教育研究センター, 教授 (60133089)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	海津正倫名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50127883) 横木裕宗茨城大学, 広域水圏環境科学教育研究センター, 助教授 (70240190) 安原一哉茨城大学, 工学部, 教授 (20069826) 齋藤文紀産業総合研究所, 海洋資源環境研究部門, 研究グループ長小島治幸九州共立大学, 工学部, 教授 (20150485)
Keywords	気候変動 / 海面上昇 / 適応策 / デルタ / サンゴ礁 / 経済評価
Research Abstract	本研究の目的は、気候変動・海面上昇に対して、自然環境要素及び人工系システムの適応策及び適応策の政策科学的・経済的な評価について研究することである。そのため、サブグループ1では、長江、メコン川といったデルタ、ソンクラー湖(タイ)、タムジャンーカウハイラグーン(ベトナム)の汽水湖、西表島等でのマングローブ、マーシャル諸島などでのサンゴ礁を対象に現地調査を行い、海面上昇の影響予測と適応策について検討した。中国・長江では、ダム建設などの人間活動によって、陸上からの土砂供給量が2/3程度に減少しており、海面上昇の影響に人間活動の影響が重なることを明らかにした。また、デルタ、汽水湖における脆弱性指標やマングローブの自己修復メカニズムについて検討した。特記すべきは、サンゴ礁グループが、2004年6〜7月に開催される第10回国際サンゴ礁シンポジウムで地球規模の環境変動とサンゴ礁に関する一連のセッションを企画し、本研究の成果を核にして国際研究交流の準備を進めたことである。サブグループ2では、海面上昇による地盤や社会基盤施設の基礎の不安定性の評価方法を提案し、その妥当性の検証のための室内模型実験を行った。加えて、地震時液状化危険度の評価方法も提案し、その結果の適用方法と適用事例(横浜市と茨城県)を示した。また、サンゴ礁海岸や地下水システムシステムの適応策について、引き続き現地調査及び数値モデルによって検討した。サブグループ3では、都市システム全体の脆弱性を特定するための影響伝播図を作成し、気候変動に伴うリスク増大を加味した都市・施設計画を立案するためのツールとして、さまざまなリスクを「等価浸水深」に換算して示す方法を開発した。また、適応策の経済評価では、複数の支払手段および支払単位を設定したアンケート調査を行い、昨年度提案したCVMによる評価モデルの信頼性を検討した。さらに、海岸防護を対象に、各国の政策や他分野の防災政策の調査に基づいて、適応策を政策化する上での課題や手法を検討した。

Research Products

(7 results)

All Other

All Publications (7 results)

[Publications] Hori, K., Tanabe, S., Saito, Y., Haruyama, S., Nguyen, V., Kitamur: "Delta initiation and Holocene sea-level change : example from the Song Hong (Red River) delta, Vietnam"Sedimentary Geology. 164(3-4). 237-249 (2004)
[Publications] Harii, S., Kayanne, H.: "Larval dispersal, recruitment and adult distribution of the brooding stony octocoral Heliopora coerulea on Ishigaki Island, southwest Japan"Coral Reefs. 22. 188-196 (2003)
[Publications] 村上, 安原, 鈴木: "GISに適用する広域地盤沈下の観測的予測法"地下水学会誌. 第45巻、第4号. 391-408 (2003)
[Publications] 加知範康, 加藤博和, 林良嗣: "地球温暖化に対する都市システムの適応策検討に関する基礎的研究"土木学会第31回環境システム研究論文発表会講演集. 399-404 (2003)
[Publications] 落合鋭充, 大洞久佳, 大野栄治: "伊勢湾地域における海面上昇による経済損失の計測"環境システム研究論文発表会・講演集. 31. 107-112 (2003)
[Publications] Mimura, N: "Climate Change and Sea-Level Rise : Challenges to Coastal Science and Engineering"Asia and Pacific Coasts 2003, Proceedings of the 2nd International Conference. 1-11 (2004)
[Publications] 三村信男: "4.地球温暖化と水資源の変化、森澤真輔(編):地球水資源の管理技術"コロナ社(分担). 149-187 (2003)

2003 Fiscal Year Annual Research Report

気候変動・海面上昇に対する適応策に関する総合的研究

Principal Investigator

三村 信男 茨城大学, 広域水圏環境科学教育研究センター, 教授 (60133089)

Research Products

[Publications] Hori, K., Tanabe, S., Saito, Y., Haruyama, S., Nguyen, V., Kitamur: "Delta initiation and Holocene sea-level change : example from the Song Hong (Red River) delta, Vietnam"Sedimentary Geology. 164(3-4). 237-249 (2004)

[Publications] Harii, S., Kayanne, H.: "Larval dispersal, recruitment and adult distribution of the brooding stony octocoral Heliopora coerulea on Ishigaki Island, southwest Japan"Coral Reefs. 22. 188-196 (2003)

[Publications] 村上, 安原, 鈴木: "GISに適用する広域地盤沈下の観測的予測法"地下水学会誌. 第45巻、第4号. 391-408 (2003)

[Publications] 加知範康, 加藤博和, 林良嗣: "地球温暖化に対する都市システムの適応策検討に関する基礎的研究"土木学会第31回環境システム研究論文発表会講演集. 399-404 (2003)

[Publications] 落合鋭充, 大洞久佳, 大野栄治: "伊勢湾地域における海面上昇による経済損失の計測"環境システム研究論文発表会・講演集. 31. 107-112 (2003)

[Publications] Mimura, N: "Climate Change and Sea-Level Rise : Challenges to Coastal Science and Engineering"Asia and Pacific Coasts 2003, Proceedings of the 2nd International Conference. 1-11 (2004)

[Publications] 三村信男: "4.地球温暖化と水資源の変化、森澤真輔(編):地球水資源の管理技術"コロナ社(分担). 149-187 (2003)

三村信男茨城大学, 広域水圏環境科学教育研究センター, 教授 (60133089)