2004 Fiscal Year Annual Research Report
アジア諸社会におけるエリートのネットワークと文化表象--比較研究の試み
Project/Area Number |
14209007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中里 成章 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30114581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 董 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50162962)
山本 英史 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90127796)
大木 康 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70185213)
桝屋 友子 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (40300735)
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (00242074)
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Keywords | アジア / エリート / ネットワーク / 文化表象 / 比較史 / 検閲 / 肖像画 |
Research Abstract |
本プロジェクトは、ネットワークの態様と文化表象の生産の2点に着目して、アジアのエリートの比較研究を行い、アジアのエリート研究のための新しい視点を構築することを目的としている。今年度は、韓国の成均館大学校東アジア学術院と共催シンポジウムを実施し、日本と韓国という複眼的な視点から、アジアのエリートの研究をする新しい試みを行うと同時に、これまでに引き続き、海外から研究者を招聘して研究会を開催し、海外調査と資料収集を実施した。 共催シンポジウムは2度開催した。11月5日にソウルの成均館大学校東アジア学術院で開いた1度目のセミナーでは、日本と韓国の研究者が、東アジアのエリートのネットワーク、自己表象、社会経済的性格規定等の問題について討論するとともに、西アジアと東アジアのエリートの比較論を行った。第2回目は、「近代東アジアにおける検閲・出版・文学」というテーマの下に、1月29日に東洋文化研究所で開催した。このシンポジウムでは、植民地支配下の朝鮮における検閲の諸相を実証的に検討するとともに、比較の観点から台湾と「満州」の問題を取り上げ、さらに検閲の制度的源泉である日本について分析した。このシンポジウムは、文化的生産に関わる問題の中では、難しい問題に属する検閲について、日韓両国の研究者が率直な討論を行い、大きな成果を上げることができたので、雑誌『東洋文化』の特集号として成果を公刊する予定である。 さらに、今年度は、2月5日に、アメリカから招聘した研究者と日本の研究者の共同で、「アジアにおけるエリートの肖像」というセミナーを開催し、肖像画に表象されたアジアのエリートという、造形的なアプローチからの比較研究を行った。また、11月28日に「エリートの比較社会史--近代を中心に」というセミナーを組織し、朝鮮、中国、韓国、オスマン帝国、植民地期インドのエリートについて比較論を試みた。
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Research Products
(21 results)