2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14209008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 日出男 東京大学, 史料編さん所, 教授 (90013284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 康夫 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60026284)
伊藤 毅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20168355)
宮崎 勝美 東京大学, 史料編さん所, 教授 (60143533)
奥平 俊六 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30167324)
玉井 哲雄 千葉大学, 工学部, 教授 (80114297)
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Keywords | 洛中洛外図屏風 / 林原美術館本 / 都市図 / 京都 / 高精細デジタル画像 / 研究用プラットフォーム / プロファイル機能 |
Research Abstract |
本年度は、次の二つの作業を重点的に推進した。すなわち第一に、まずデジタル高精彩画像デーベースを実現できるようにするために、第二定型洛中洛外図屏風の代表作品である林原美術館本「洛中洛外図屏風」(重要文化財)の撮影を実施した。縦120cm×横360cmの一隻を8×10サイズのフィルムで12分割にして撮影したので、一双では8×10サイズのフィルムが24枚になった。洛中洛外図屏風の撮影としては、かつてないものである。そのフィルムを2600dpi.でスキャニングし、デジタル化した画像データを接合。接合部や色彩の補正を行なった。これによって、洛中洛外図屏風の高精細画像データベース構築の前提条件を生み出した。 第二に推進したのは、絵画史料を細部まで観察・検討し、その研究結果を自由に書き込んでいくことができる「画像史料研究用プラットホーム」の開発であった。限られた予算であるので、既存の技術を最大限に利用しつつ、メーカーとともに開発を目指した。それは、絵画史料の細部を自在に拡大して見ることができる高精細画像ビューワーに、研究の成果を自在に書き込むことができるように徹底的に改良を加えたものであり、本年度末にの完成を目指した。とくに重視したのは、「プロファイリング」と呼ばれるデータ生成システムの改良だった。より多くの研究成果を入力できるように調整するとともに、プロファイリングデータを他のシステムのデータ形式に変換可能なように、XML形式のデータ記述とのマツチングを行なった。そして、運用試験版というべきシステムを構築して、研究分担者および研究協力者に配布した。この運用試験版を用いて各自が林原美術館本洛中洛外図屏風研究をはじめ、計3回の研究会で検討を行なった。その結果として、本年度末には、プロファイリング機能に大幅に手を入れたシステムである「画像史料研究プラットホーム」の試験版を完成することができたのである。次年度には、さらに改良していく予定である。
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Research Products
(1 results)