2004 Fiscal Year Annual Research Report
透明メダカを用いた内臓器官変異体の全生涯スクリーニング
Project/Area Number |
14209009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若松 佑子 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (20026800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清木 誠 独立行政法人科学技術振興機構, SORSTプロジェクト・近藤研究チーム, チームリーダー
橋本 寿史 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助手 (30359757)
尾里 建二郎 名古屋大学, 名誉教授
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Keywords | 変異体スクリーニング / ENU / 優性変異体 / 劣性変異体 / 腎臓肥大 / 心房・心室逆位 / 心臓肥大 |
Research Abstract |
本研究では成体で発病する疾患モデルをスクリーニングすることを目的として透明メダカを用いてENUゲノムワイド変異体メクリーニングを行っている。本年度は優性および劣性変異体についてスクリーニングを行った。 優性変異体:F1世代で、合計25の優性変異体候補を見いだした。心臓に肥大または異常が見られるもの9、腎臓が肥大しているもの9、肝臓の色が白色を呈するもの6、眼球が突出しているもの1、であった。これらの変異体を透明メダカ(ST11 13b/b)と交配したF2世代では、8変異体で不妊であった。他の17変異体から得られたF2について組織学的検索を行った。腎臓が肥大しているもの1、心臓が肥大し、腎臓および肝臓にはリンパ球や腫瘍状組織が見られるもの2、心臓肥大症が見られるもの1、心臓が肥大し、心房と心室が逆転しているもの1、の5系統が得られた。F2世代の他の家系についての解析はこれからである。 劣性変異体:腎臓が肥大しているもの3、眼胞の片側をランダムに欠失しているもの1、初期胚の左右軸形成に異常を示すもの2、の6系統が得られた。左右軸形成異常変異体では心臓のルーピングと胆嚢および脾臓の位置が野生型に対してミラーイメージになっていた。southpawやlefty遺伝子の発現を調べている。 これらの結果から、透明メダカは成体で異常を示す疾患モデルを長期観察(通常6ヶ月以上の観察を行っている)によってスクリーニングする方法として有効であることが明らかになった。特に腎臓は外部からの観察が他の臓器に比べ容易であること、腎臓に疾患があっても長期に生存することなどから、腎臓の疾患変異体のスクリーニングには優れたモデルになると考えられる。また、これらの腎臓変異体と比較するために、嚢胞賢を発症する自然突然変異体について記載を行った。
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Research Products
(1 results)