2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14209018
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
山森 哲雄 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80260206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小峰 由里子 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90280586)
木津川 尚史 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10311193)
渡我部 昭哉 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40290910)
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Keywords | 運動学習 / c-Fos / occ1 / 大脳皮質領野 / 視覚野発達 / CNTF / 松果体 |
Research Abstract |
1.大脳新皮質は、殊に霊長類で良く発達している。我々は、霊長類大脳皮質領野特異的に発現する遺伝子の解析を通じて、霊長類に至る大脳新皮質の形成と進化の分子機構の解明を目指している。その為、differential display法を用いて、現在までにgdf-7(Watakabe et al.,2001)、occ1(Tochitani et al.,2001)の2つの遺伝子を報告してきた。当該年度は、更にこれに加えて連合野特異的に発現する遺伝子(134G)を解析し報告した(小松勇介、投稿中)。この遺伝子は、occ1と比較すると、幾つかの点で次のような相補的発現パターンを示す。i)一次感覚野に少なく、連合野に多い。ii)低次感覚野から高次感覚野に移行するに従いその発現が、大脳皮質の表層から、4層を除く深層でも発現するようになる。,iii)この特徴的発現パターンは、生後発達の課程で生じる。これらの結果は、134G遺伝子の解析が、連合野の形成と進化を解明するうえで、重要な糸口を与えてくれる可能性を示唆する。更に,RLCS(restriction landmark cDNA scanning)法により、大脳皮質の領野間で顕著な差を示す遺伝子を幾つが分離し現在、その解析を行っている。 2.遺伝子発現を用いて、学習行動下における脳内情報処理機構の解析を継続して行っている。当該年度は、Wheel running systemを用いた線状体と大脳皮質運動野に於ける運動パターン変化時の発現パターンの変化の研究を行った。また、4点記録電極による線状体に於ける電気記録を開始した。一方、視聴覚弁別課題を改良して、音(聴覚)と光(視覚)の位置を同じにして、この位置情報が異種(音、光)の刺激間でどのように保持されるのかを調べた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tochitani, S. 他: "occ1 mRNA reveals a characteristic feature in the hippocampal CA2 field of adult macaques."Neurosci.Lett.. 346. 105-108 (2003)
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[Publications] Hata, K. 他: "Ciliary neurotrophic factor inhibits differentiation of photorecptor-like cells in rat pineal glands in vitro."Dev.Brain Res.. 143. 179-187 (2003)
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[Publications] Suga, K. 他: "Identification of the carboxyl-terminal membrane-anchoring gegion of HPC-1/Syntaxin 1A with the substituted-cysteine-accessibility method and monoclonal antibodies."J.Biochem.. 133. 325-334 (2003)
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[Publications] Nakayama, T. 他: "Expression of syntaxin 1C, an alternive splice variant of HPC-1/syntaxin 1A, is activaed by phorbol-ester stimulaton in astrglioma."FEBS Lett.. 536. 209-214 (2003)
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[Publications] Tochitani, S. 他: "Expression of occ1 mRNA in the visual cortex during postnatal development in macaques."Neurosc.Lett.. 337. 114-116 (2003)
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[Publications] 山森哲雄: "「活動依存的遺伝子発現を指標とした学習行動のメカニズムの解明」神経回路の機能発現のメカニズム"蛋白質核酸酵素. 増刊号. 433-438 (2004)
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[Publications] 山森哲雄: "脳回路を作る遺伝子制御"生体の科学. 43-49 (2004)
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[Publications] 伊藤正男 他: "「脳神経科学」遺伝子発現 山森哲雄(伊藤, 金澤, 篠田, 廣川, 御子柴, 宮下 編)"三輪書店. 841(253-259) (2003)