2003 Fiscal Year Annual Research Report
歴史建造物における文化財の保存展示空間の再開発を目的とした理論の構築に関する研究
Project/Area Number |
14209021
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
和田 浩 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部保存修復課, 環境保存室員 (60332136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 洋一 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 事業部教育普及課, 課長 (60176451)
松本 伸之 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 事業部事業企画課, 課長 (30229562)
神庭 信幸 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部保存修復課, 課長 (50169801)
土屋 裕子 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部保存修復課保存修復室, 研究員 (60321551)
澤田 むつ代 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部保存修復課環境保存室, 室長 (40215918)
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Keywords | 光環境 / 熱環境 / 空気環境 / 環境設計 / 様式 / 文化財 / 保存科学 |
Research Abstract |
海外の美術博物館の現地調査を、アメリカ、ギリシア、スペインで実施した。調査では、建築構造、組織内容、再開発経験あるいは計画などについての聞き取り調査のほかに、関連資料の収集を行った。調査先は以下の通りである。 アメリカでは、スミソニアン博物館、メトロポリタン博物館など16箇所、スペインでは、バルセロナ現代美術館、ビルバオ・グッゲンハイム、王宮博物館など10箇所、ギリシアでは、国立考古学博物館、クノッソス宮殿、アクロポリス博物館など11箇所である。ギリシアの美術博物館については、本研究で調査前に作成したアンケートを利用しながら、聞き取り調査を実施した。海外における美術博物館の基本データの集積が、昨年度から継続して進めることができたと考える。 国内の現地調査においては、東京都、京都市、大阪市、函館市等の美術博物館について現地調査を実施した。また、美術博物館の調査だけではなく、東京文化財研究所、清水建設技術研究所等で開催されたシンポジウムにも積極的に参加した。文化財保存修復学会(第25回大会)においては、本研究についての掲示発表を行い、文化財保存に携わる研究者の方々に対して、研究内容を公表することができた。施設見学や他機関の研究者の方々との意見交換を通して、今後研究を進めるにあたって、有用となり得る知見を得ることができたと考える。 昭和50年代以前、昭和60年代以前に建設された、国内の美術博物館についてのデータも継続して収集しており、関連施設の現地調査も実施している。 本研究で作成した、東京国立博物館本館のCAD図面は既に、展示リニューアルを計画する際の有用なデータとして利用されている。本館については、CAD化の継続とともに、躯体構造のCG製作が進行中である。また、東京国立博物館の敷地全体を簡略化して表現したCGを作成した。このCGは、東京国立博物館の外部空間及び建造物の内部空間の状況を、全体的に把握することができる立体地図として、館内のいくつかの部署において活用されている。作成した博物館の敷地全体のCGや建造物のCGは、来年度以降も適宜発展させて研究成果としていく。
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