2005 Fiscal Year Annual Research Report
GISを用いた古代都城の用排水系統に関する総合的研究
Project/Area Number |
14209024
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Research Institute for Cultural Properties, Nara. |
Principal Investigator |
井上 和人 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 考古第一調査室長 (60110087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 謙一 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 文化財情報研究室長 (70110088)
小澤 毅 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 保存修復工学研究室長 (00214130)
森本 晋 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究官 (40220082)
中島 義晴 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 文化遺産研究部, 研究員 (50321625)
金田 明大 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 研究員 (20290934)
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Keywords | GIS / 地理情報システム / 古代都城 / 排水 / 考古学 / 古代史 / 条坊 / 空間分析 |
Research Abstract |
研究最終年度を迎え、基礎データの整備と利用について検討をおこなった。 条坊データについては、各調査機関でおこなわれたデータを整理、検討した。整理したデータより不規則三角網(TIN)モデルを生成し、地理情報システム(GIS)上でこれを表示、分析することをおこなった。この結果、各条坊側溝における流路の流出方向をまとめることができ、排水系統を考える上で統合された形でのデータの提示が可能になることを示すことができた。 その中でも、南北方向の幹線水路と、東西方向の水路においては、溝底の高さに大きな差が見られる部分があり、常時水が流れている部分と、水が流れない部分が存在する可能性が指摘できる。これらの状況を分散的に保存されていた既存の調査データを活用して視覚的に提示することが達成できたことは大きな成果である。 また、これらのデータを多くの分野の研究者と共有するために、データの整理をおこない、公開の準備を進めている。 水理的な検討をこの後に目標としていたが、これについては充分な検討をおこなうことができなかった。今後の課題としたい。 基礎データとしての平城京数値地図については、右京および左京の一部についてベクターデータの作成を完了させた。研究期間中に、デジタル標高モデルの生成については飛躍的にその技術が発達し、計画時の方法では対応できない問題や、測地系の変換などの課題が生起し、これらの対応についての研究が中心となり、目標としていた全図幅の完成はできなかった。充分な成果があげられたとはいえないが、公開に向けて更にその作成を進める予定である。
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Research Products
(4 results)