2004 Fiscal Year Annual Research Report
古代インドにおける宗教的造形の諸相-寺院建築と美術の成立と展開-
Project/Area Number |
14251001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮治 昭 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70022374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 武久 中部大学, 名誉教授 (20023062)
立川 武蔵 愛知学院大学, 文学部, 教授 (00022369)
秋山 光文 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60130861)
森 雅秀 金沢大学, 文学部, 助教授 (90230078)
野々垣 篤 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (10283392)
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Keywords | 南インド / タミル・ナードゥ / パッラヴァ朝 / チョーラ朝 / ヒンドゥー教寺院 / ヒンドゥー教石窟 / 南インドの仏像 / チェンナイ州立博物館 |
Research Abstract |
インドのタミル・ナードゥ州に存在する、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教の遺跡、ならびに関連する博物館所蔵作品の調査を行った。主な調査遺跡として、パッラヴァ朝やチョーラ朝に属するヒンドゥー教遺跡がまず挙げられる。カーンチープラムのカイラーサナータ寺、ヴァイクンタペルマール寺、ムクテーシュヴァル寺、マーマンドゥル石窟、ダナヴァヌル石窟、マンダガパットゥ石窟、チダムバラムのナタラージャ寺、クンバコーナムのナゲーシュヴァラ寺、プッラマンガイのブラフマプリシュヴァラ寺、カライユルのアガスティエーシュヴァラ寺、スリニヴァサルールのコーランガナータ寺などで、大規模なものも多く、概観的な調査を行った。 仏教遺跡としては、寺院としてはほとんど残っていないが、ヒンドゥー教寺院内、学校校庭、警察署庭、遺跡や道跡の脇などに、その尊像の意義がわからずに、打ち捨てられたように安置されている例が数多くあることが確認された。ボンディシェリ州立博物館、チェンナイ州立博物館などにも仏像が少なからずあることを確認した。また、チョーラ朝のブロンズ像はほとんどがヒンドゥー教像であるが、中には仏陀像、観音菩薩像、弥勒菩薩像があることも分かり、尊像表現の上で仏教との混淆現象もうかがえる。壁画としてはヒンドゥー教、ジャイナ教の寺院に断片的に見られたが、とりわけシッタンナヴァーシャルのジャイナ教石窟の天井画は、仏教美術のテーマとの類似も見られ重要である。 実地調査と収集された資料に基づいて、タミル・ナードゥ州のヒンドゥー教野外寺院、および石窟寺院の様相、南インドにおけるヒンドゥー教と仏教との関わり、この地の後期の仏教の様相などについて研究を行っている。
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Research Products
(7 results)