2005 Fiscal Year Annual Research Report
地方独立制移行期マダガスカルにおける資源をめぐる戦略と不平等の比較研究
Project/Area Number |
14251004
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
深澤 秀夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10183922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内堀 基光 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30126726)
杉本 星子 京都文教大学, 人間学部, 教授 (70298743)
森山 工 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (70264926)
菊澤 律子 国立民族学博物館, 先端人間科学研究部, 助教授 (90272616)
飯田 卓 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助手 (30332191)
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Keywords | 文化人類学 / マダガスカル / 地方独立制 / 資源 / 生活戦略 / 構造調整計画 / 貧困 / 解釈 |
Research Abstract |
平成17年度、研究分担者の森山工は、平成16年度までにフランスとマダガスカルにおいて収集した資料の整理と分析を主として手がけ、海外調査を実施しなかった。また、同じく研究分担者の飯田卓は、他科研費からの支出に基づいてマダガスカルとモザンビークにおける漁労民の生活について実地調査による資料収集を行い、本科研費からの旅費の支給を受けることがなかった。 平成17年度の本科研費研究は、上記の研究代表者と研究分担者の計5名によって行われた。研究代表者の深澤は、平成17年の9月から平成17年の12月までのおよそ3ヶ月間、マダガスカルのマジュンガ州・アンタナナリヴ州・タマタヴ州において、稲作における品種選択の要因、米価上昇が生活に与えた影響の実地調査を行った。また、深澤は、平成18年3月に半月の期間、マジュンガ州立博物館、国立学士院、アンタナナリヴ大学考古-芸術博物館を訪れ、本科研費による日本側の調査成果の概要をマダガスカル現地研究者たちに対し報告すると共に、その結果についての討議および今後の共同研究についての話し合いを行った。研究分担者の内堀は、平成17年の8月の半月、マレーシア・サラワク州の焼き畑耕作民の村落において、マダガスカルの焼畑耕作民の生活と対照される資料収集のための実地調査を行った。研究分担者の杉本星子は、平成17年9月の3週間、マダガスカルのマジュンガ州およびアンタナナリヴ州において、木綿製品の流通状況とその地域社会における受容形態、また養蚕と天蚕の職布の技術とその伝承の実地調査を行った。研究分担者の菊澤律子は、平成17年9月から12月までの三ヶ月間、タマタヴ州の焼き畑耕作民の村落において、口頭伝承資料の収集を中心に公用マダガスカル語と方言の言語選択の要因についての実地調査を行うと共に、フランスにおいて文献資料の収集とフランス人研究者との情報交換を行った。さらに菊澤は、平成18年2月から2月の10間、フランスにおいてマダガスカル語の文献資料を収集すると共に、パリ大学、東洋語学研究所、国立科学調査研究機構の研究者たちに対し本科研費の研究成果の報告を行い、それらの機関のマダガスカル研究者たちと質疑討論の機会をもった。 以上の調査より、マダガスカルにおける人びとの生活は、現職大統領による新自由主義的な経済政策の下で、困窮の度合いを深めており、それに対応した決定的な生活戦略は生み出されるに至ってはいないものの、ますます生活資源を様々な機会に様々な事柄から得ようとする多極化が進んでいることが、共通に確認された。
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Research Products
(6 results)