2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14251015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青柳 正規 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40011340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷹野 光行 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (20143696)
本村 凌二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40147880)
片山 英男 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70114436)
内田 俊秀 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (30132822)
渡辺 道治 九州東海大学, 工学部, 教授 (70269108)
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Keywords | 考古学 / 発掘調査 / イタリア / ローマ時代 / 別荘遺跡 / 床モザイク / 遺構保存 |
Research Abstract |
本年度は、本補助金に基づく3カ年調査の2年目にあたり、実施計画に即して以下の通り調査を行った。 1.発掘箇所、発掘面積、発掘方法 既調査範囲約4,500m^2の範囲の中で、建物遺構の遺存状態を考慮しつつ、その下層に埋没する遺構の検出に努め、当遺跡の創建期に関する調査、研究を実施した。延べ調査面積は、およそ300m^2である。 2.遺構の実測方法、記録方法 調査範囲において20分の1の実測図面を作成した(重要部分に関しては10分の1の実測図面)。同時に遺構と遺構の出土状況を写真で記録し、画像データベースを作成を行った(継続中)。 3.出土遺物の実測方法、記録方法 瓦や煉瓦など同一タイプが数多く出土する遺物はサンプルを選び、実測図面の作成と写真撮影を行った。その他の遺物に関しては、個別に実測図面の作成と写真撮影もしくはその一方を行い、必要に応じて拓本も採集した。 4.遺構の創建・改築・最終段階の年代に関する研究 遺構の構築法と建築材料の特質、建築装飾部材の特徴などを研究し、各遺構の所属年代を検討した。 5.遺物の製作年代、製作地、様式・形式の研究 土器、テラコッタ製容器、ガラス器、青銅器、鉄器、大理石彫刻、壁画、モザイクなどの型式学的な研究を行い、年代ごとに遺物のセット関係の抽出に努めた(継続中)。また製作地同定などの目的で、理化学的分析も行った。 6.遺構および遺物の保存修復 出土した建築遺構や様々なマテリアルからなる遺物の、環境下での経年劣化の評価とそれに対する有効な保存修復技術の検討を行った。 7.周辺関連遺跡との比較研究 当遺跡の歴史的、文化的、社会的、経済的位置づけを解明するために、近隣のローマ時代諸遺跡との比較研究を進めた。 今回の調査によって、本別荘の中核部分に関しては、紀元前後の創建期から紀元後1世紀から2世紀にかけての発展期、紀元後4世紀頃の大規模な改築作業による最盛期の現出、その後の衰退という、構造の年代的な変遷の実態がかなり明らかになってきた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masanori Aoyagi: "Villa romana di Cazzanello dal 1992 al 2002"Rendiconti dell' Acadenia Pontificia. (印刷中). (2004)
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[Publications] 青柳正規 他: "カッツァネッロ(タルクィニア)のローマ遺跡発掘調査(第8次)中間報告 東京大学文学部文化交流研究施設研究紀要 第16号"東京大学文学部文化交流研究施設(印刷中). (2004)
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[Publications] 青柳正規 他: "カッツァネッロ(タルクィニア)のローマ遺跡発掘調査(第9次)中間報告 東京大学文学部文化交流研究施設研究紀要 第17号"東京大学文学部文化交流研究施設(印刷中). (2004)