2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14251017
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
杉山 三郎 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (40315867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 信太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20143357)
佐藤 悦夫 富山国際大学, 人文社会学部, 助教授 (40235320)
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Keywords | 新大陸考古学 / メソアメリカ / テオティワカン / 月のピラミッド / 古代文明 / 古代計画都市 / モニュメント / 生贄埋葬 |
Research Abstract |
平成14年7月から現地調査を開始、発掘は「月のピラミッド」上層部のトンネル調査と、ピラミッド西側の隣接住居複合体での発掘を平行して行った。トンネル調査は第5期ピラミッド基壇の頂上部で発見された墓内部の調査を中心に計画。まずメキシコ国立自治大学の考古学探査グループと事前調査を行い、「月のピラミッド」内部、墓の近くに空洞や他の施設が検出しない事を確認。その後墓内部の瓦礫を取り除くトンネル発掘を行い、墓室が上部で6mx6m、また深さが3mあることを確かめ、作業の安全性、最も有効な調査方法を考慮し、ピラミッド内部に鉄骨・鉄板の防御用天井を建設した。安全の確保後、墓内部の発掘を続け、同年10月の現地調査終了までに、三体の人骨と翡翠、黒曜石、貝、土器、繊維、木製等の多種の装飾品、象徴的副葬品、また蛇、鳥、イヌ科、ネコ科の生け生け贄体を発見した。中でも翡翠のペンダント、数珠玉、耳飾り等は遠くガテマラのマヤ地方から持ち込まれたもので、テオティワカンの統率者グループがマヤ王朝と直接の関係を示す初めての資料となった。発見された三体は位の高い神官で、その同定に現在カナダ・日本(東大)で人骨のアイソトープやDNAの分析を行っている。一方で「月のピラミッド」西側の住居複合体におけるトレンチ発掘では、「宮殿」の建築やその機能、年代、またこの都市放棄直後の破壊・盗掘の資料も得る。発掘と平行して「月の広場」複合体の3次元建築図面を作成するため、地上測量も継続し、特に2002年度は「月の広場」南西部の「ケッツアル蝶宮殿」住居複合空間を測量した。一方で出土した土器や石器、貝製品等の整理・分析、また動植物体の同定、炭素14年代測定なども同時に進めた。なお、2002度調査を含めた研究成果と発掘出土品は、メキシコ政府の主催で2003年10月から4ヶ月間、メキシコ市の国立人類学博物館で特別展示する予定。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 杉山三郎: "メソアメリカの聖教"月刊「考古学ジャーナル」4. No.500. 19-23 (2003)
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[Publications] Saburo Sugiyama: "Arguitectura Monumental y Entierros Dedicados a la Piramide de la Luna"Tercera Mesa Redonda de Teotihuacan : Arguitectura y Urbanismo. 3(出版予定). (2002)
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[Publications] Saburo Sugiyama, Ruben Cabrera: "Proyecto Piramide de la Luna, Teotihuacan : Informe de la Quinta Temporoda 2002"Instituto Nacional de Antropologia e Historia (Archivo). 162 (2003)