2005 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ・サバンナ帯の民族知と変化する環境との相克
Project/Area Number |
14252012
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
堀 信行 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (40087143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 雅人 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (30211957)
大山 修一 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (00322347)
鹿野 一厚 島根女子短期大学, 一般教育教室, 助教授 (10226110)
知念 民雄 流通経済大学, 経済学部, 教授 (50236808)
高岡 貞夫 専修大学, 文学部, 助教授 (90260786)
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Keywords | アフリカ / サバンナ帯 / 民族知 / 環境変化 / 気候変動 / 人間対応 / 土地利用 / 生業変容 |
Research Abstract |
堀は本科研の最終年ということもあり総括のために、調査対象国(ケニア、カメルーン、ニジェール、セネガル)全域をまわり、研究協力者との研究連絡や共同調査を行った。その一方でアカシア・アルビダの樹を利用した農業システムや牧畜との関係について、これまでの継続調査を行った。今回はとくにこの樹を他者が燃料のためや家畜の飼料用に燃したり、枝打ちしたりといった人為災害について調査を行った。 また知念はニジェールにおいて一部堀と一緒に、農業をはじめとする土地利用と土壌浸食との関係を明らかにするためにおもにニジェール川のニアメイより上流部の河岸地域で現地調査を行った。 大山はニジェール南部で、農耕民ハウサの砂漠化(土地荒廃)に対する環境認識と対処方法に調査した。ハウサは、屋敷内に蓄積する家庭ゴミを荒廃地に投入したり、牧畜民のフラニ(フルベ)やトゥアレグと野営契約を結び、所有畑に家畜の糞を供給していることが明らかとなった。また、土壌の化学性に関する分析を進め、人びとの土壌分類と土壌の特性との関係性について吟味した。 高岡はケニア・メルー県の調査地において、LandsatTM画像を用いた1987-2002年の乾季におけるNDVIの経年変化を求めた。相対的に降水の多い南部では耕作地のNDVIが増加していたが、これは近年の耕作地への外国産樹種の植樹の増加によると考えられる。また、在来種と外来種の2種について成長速度や萌芽特性、作物への影響、樹木の利用について調査を実施した。在来種は定着率が高くないことを除くと、外来種より優れた点が多い。外来種は早期緑化に向いているが、長期的には在来種のほうが重要性の高いことが明らかとなった。 なお、篠田、鹿野、中山は、国内にてこれまでの調査のまとめを行った。本プロジェクトの報告書は、平成18年度にまとめて刊行する予定である。
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Research Products
(6 results)