2002 Fiscal Year Annual Research Report
アジア熱帯モンスーン地域の菌類の多様性とその生態的機能の調査研究
Project/Area Number |
14255004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柿嶌 眞 筑波大学, 農林学系, 教授 (40015904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 義隆 茨城大学, 教育学部, 教授 (90134163)
徳増 征二 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (80092526)
山岡 裕一 筑波大学, 農林学系, 助教授 (00220236)
高松 進 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20260599)
今津 道夫 信州大学, 農学部, 助教授 (30261770)
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Keywords | 菌類 / 多様性 / アジア / 熱帯 / モンスーン / フロラ / 分類 / 生態 |
Research Abstract |
本研究は、1)アジア熱帯モンスーン地域の自然生態系、半自然生態系、耕作地や造林地の菌類を調査し、2)その標本の保存と分類・固定を行い、これらの地域の菌類相の詳細を明らかにして、3)自然生態系における多様性とその生態的機能を解明するとともに、4)この地域の気候特性のもとで人間活動に菌類がどのように関係しているかを検討し、その結果から自然生態系、半自然生態系の保全・維持管理の方法についての提言を行うことを目的としている。そのため、今回の調査研究では、タイおよびマレイシアにおいて、自然生態系の保全されている地域とそれが破壊された地域を調査地として設定し、そこに分布する菌類の分布や生態の調査を行う予定である。本年度の調査研究の概要は以下のとおりである。 (1)タイおよびマレイシアにおける調査地の選定と調査研究計画の策定のため、9月〜10月に現地で打ち合わせを行った。その結果、タイでは、タイ北部のチェンマイ周辺の自然保護地域とチェンマイ大学の実験捕場で、マレイシアでは、ペナン島とマレイ半島北部の自然保護地域で調査を行うこととなった。また、調査はそれぞれの国の共同研究者と共同で行い、採集標本や培養菌株については、現地に半分を残すこととした。また、研究成果についての共同で発表し、最終年度にマレイシアで報告会を開催することとなった。(2)12月に、専門の異なる研究者7名がタイおよびマレイシアで調査を行い、多数の標本を採集した。現在これらの標本をもとに、それぞれの研究者が形態観察や菌の分離培養を行い、分類学的研究を行っている。(3)菌類標本の比較研究のため、ニュージーランドのLandcare Researchに保存されているアジア地域で採集された多数の菌類の標本の調査を行った。(4)地域的な比較検討を行うため、台湾中部の自然保護地域で予備調査を行った。
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