2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14255006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雅啓 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20093221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊川 知久 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 主任研究員 (50280524)
秋山 弘之 姫路工業大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (70211696)
岡田 博 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40089892)
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Keywords | 着生植物 / 進化 / 半着生植物 / 系統関係 / 胞子 / シュート / カワゴケソウ / シノブ科 |
Research Abstract |
1.インドネシア,タイ,マレーシアなどで着生植物の進化について現地調査した.その結果,広義の着生植物に,真正着生植物の他,着生性半着生植物,つる(よじ登り)植物が含まれることがさらに確かめられた.また,個体発生の途中でつる(よじ登り)植物から着生性半着生植物に変わる幼期つる(よじ登り)植物が存在することがわかった.珠によっては,複数の生活形をもつものがあった. 2.rbcLの他,accD遺伝子も加えてシノブ科と近縁シダの分子系統解析を行い,狭義のシノブ科はウラボシ科と単系統をなし,さらにその基部にOleandra属などの半着生植物が姉妹群となり,これより,着生植物の両科は地生植物から着生性半着生植物を経て進化したことが一層確かめられた.分子系統樹を基に形質進化を推定したところ,地生植物からつる植物へ,つる植物から着生性半着生植物へ,さらにそれから真正着生植物へと進化した可能性が高いことがわかった. 3.野外では着生シダ植物と地生シダ植物の間で胞子発芽と配偶体成長の場所が異なるため,まず,着生シダ植物と地生シダ植物の間で胞子のサイズを比較したところ,系統関係とは無関係に着生シダ植物の胞子のほうが地生シダ植物よりも大きいという結果が得られた.また,胞子壁の組成にも違いがありそうなことが示唆された. 4.岩上着生植物であり川の水生植物でもあるカワゴケソウ科のうち,シュートが葉状に扁平になったDalzelliazeylanicaのシュートの成長を調べた.茎頂分裂組織に背腹性があり,有限成長を示すが,一部から新たな分裂組織がつくられ,その繰り返しによって無限成長することがわかった.また,シュートは実生段階で子葉の基部から生じる二次的なものであることが確かめられた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kato, M., Y.Kita, S.Koi: "Molecular phylogeny, taxonomy and biogeography of Malaccotristicha australis comb. nov. (syn. Tristicha australis) (Podostemaceae)"Aust.Syst.Bot.. 16. 177-183 (2003)
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[Publications] Koi, S., M.Kato: "Comparative developmental anatomy of the root in three species of Cladopus (Podostemaceae)."Ann.Bot.. 91. 927-937 (2003)
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[Publications] Kato, M., Y.Kita: "Taxonomic study of Podostemaceae of China"Acta Phytotax.Geobot.. 54. 87-97 (2003)