2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14255006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雅啓 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20093221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 博 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40089892)
秋山 弘之 姫路工業大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (70211696)
遊川 知久 独立行政法人 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 主任研究員 (50280524)
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Keywords | 着生植物 / 進化 / シノブ科 / カワゴケソウ科 / 系統 / 根 / 分類 / 生物地理 |
Research Abstract |
1.インド、タイ、パプアニューギニアで植物調査を行い、岩上着生植物カワゴケソウ科の生態観察と資料収集を行った。イギリス・エディンバラ植物園とキュー植物園で着生植物の標本調査を行った。イギリス・エディンバラ植物園のシンポジウムで着生シダ植物シノブ科の系統関係と着生に関わる形質進化について発表した。 2.得られた資料を用いてカワゴケソウ科の分子系統解析を行い、属間および種間の系統関係を推定した。 3.分子系統データと形態データに基づきThawatchaiaをカワゴケソウ科の新属として提唱した。さらに、タイ産のカワゴケソウ科の分類学的研究を行い、新しい植物相を明らかにした。 4.数種属の生物地理学学的解析を行い、Tristicha trifariaはアフリカで分化した後、西アフリカの集団からアメリカに移動したこと、一方カワゴロモ属とカワゴケソウ属は東南アジアで起源し、東アジアに分布を拡大したことを推定した。 5.Dalzellia zeylanicaとMalaccotristicha malayana(いずれもカワゴケソウ科)の発生形態学的研究を行い、前者では茎頂分裂組織が扁平で背腹性のある特異な構造をしているため、葉状の茎がつくられること、後者では実生において幼根を生じることを確認して、カワゴケソウ科内で幼根の退化が起こった可能性を指摘した。 6.Cladopus queenslandicus(カワゴケソウ科)の茎頂分裂組織の動態を観察し、典型的な分裂組織は存在せずに葉の形成が起こり、しかも他の被子植物では茎頂分裂組織の位置にある細胞が離脱するという特異な発生様式をとることを明らかにした。 7.樹上着生植物シノブ科の分子系統解析を行い、従来の分類体系とは合致しない系統関係を推定した。また、得られた系統関係に基づいて、つる植物から半着生植物へ、さらには真性着生植物へと進化した道筋を推定した。半着生植物Oleandraの茎には葉形成しない長い時期があり、もっぱら伸張成長することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)