2003 Fiscal Year Annual Research Report
東アフリカ鮮更新世の古環境と人類進化に関する研究-コンソ遺跡群を中心に-
Project/Area Number |
14255009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諏訪 元 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (50206596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 茂弘 兵庫県立人と自然の博物館, 地球科学部, 研究員 (50301809)
三枝 春生 姫路工業大学, 自然環境科学研究所, 助手 (70254456)
仲谷 英夫 香川大学, 工学部, 教授 (20180424)
兵頭 政幸 神戸大学, 内海域機能教育センター, 教授 (60183919)
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Keywords | エチオピア / 人類進化 / 哺乳動物進化 / 古環境 / 同位体分析 / 古地磁気層序 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を行った。 1)コンソ遺跡群における野外調査。 諏訪、加藤、藤本(研究協力者)、ベイェネ、アスファオが以下の調査を遂行した。層序年代が不確定なKGA19WとKGA21地区の8地点において、コンソ遺跡群の150万から170万年前の層準の年代推定を明確にする目的で、32層準から144点の古地気測定用資料を採取した。先史考古学的には、コンソ遺跡群における最古のアシュール型石器が出土しているKGA6-A1遺跡の発掘調査を続行し、large cutting toolsのin situの出土状況を確認した。その結果、今まであいまいであった大型石器の出土層準が、従来の推定よりやや下方に位置することが判明した。即ち、172万年前のAr/Ar年代を得ているKYT2火山灰の直上から出土することが明らかとなり、KGA6-A1遺跡の石器群集が世界でも最古級のアシュール型石器であることが確認された。 2)コンソ遺跡群の動物相の進化・変遷様式に関する研究をさらに推進した。特にウシ科の比較研究を進めた。 3)ブーリ遺跡のゾウ化石の復元および比較研究、ならびにアフリカとユーラシア産のパレオロクソドン類の進化系統的研究を推進した。その結果、ユーラシア大陸の多様なパレオロクソドン類の起源が100万年ごろ以前のアフリカに求められることが判明し、人類の拡散との関係を論ずる基盤が構築された。 4)古土壌とエナメル質の同位体分析を推進し、特にイノシシ科の複数種において食性嗜好の違いが示され、形態情報とも合わせて、ニッチェ分化を伴った進化仮説が提示された。 5)古地磁気分析を遂行し、150万から170万年前の層準において、ノーマルイベントが2層準確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suwa, G 他: "Plio-Pleistocene terrestrial mammal assemblage from Konso, southern Ethiopia"Journal of Vertebrate Paleontology. 23. 901-916 (2003)
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[Publications] White, TD 他: "Pleistocene Homo sapiens from Middle Awash, Ethiopia"Nature. 423. 742-747 (2003)
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[Publications] Clark, JD 他: "Stratigraphic chronologic and behavioral contexts of Pleistocene Homo sapiens from Middle Awash, Ethiopia"Nature. 423. 747-752 (2003)
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[Publications] Hart, WK 他: "Dating of the Herto hominin fossils"Nature. 426. 622-622 (2003)
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[Publications] Katoh, S 他: "Chronostratigraphy and correlation of the latest Pliocene to Pleistocene sequences at Konso, Ethiopia"Anthropological Science. 111. 57-57 (2003)
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[Publications] Saegusa H 他: "Paleoloxodon dispersal patterns and its relevance to hominid movement patterns"Anthropological Science. 111. 58-58 (2003)