2003 Fiscal Year Annual Research Report
マングローブ天然林の炭素固定機能および有機物分解機能の評価
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14255011
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
田淵 隆一 独立行政法人森林総合研究所, 多摩森林科学園, グループ長 (30343784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 潔 南山大学, 総合政策学部, 助教授 (50329752)
持田 幸良 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60133047)
菊地 多賀夫 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (00004383)
倉本 恵生 独立行政法人森林総合研究所, 四国支所, 主任研究官 (00353673)
平出 政和 独立行政法人森林総合研究所, きのこ微生物研究領域, 主任研究官 (20353823)
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Keywords | エスチュアリ型マングローブ / ヤエヤマヒルギ林 / 支柱根量 / 落葉枝量 / ミクロネシア / ポンペイ州 / チューク州 |
Research Abstract |
1.ポンペイ島マングローブ林動態調査 既設のポンペイ州本島東南部のエスチュアリ型マングローブ林プロットでは1999年末の測定時から密度が29本減り、556本になった。1994年からの10年間でha当たり密度は96本減少、断面積合計(BA)は4.26m^2増大し62.1m^2となった。前回1999年にエスチュアリで見つけた大型個体の倒木(1997〜1999年の間に発生)による林冠ギャップでは、周辺林内と比べ新規加入個体数は特段多くなかった。 北岸沖小島の先駆性Rhizophora stylosa(ヤエヤマヒルギ)優占林分に永久調査区を新設した。ha換算した全幹数は2080本1、うち株立ちして多幹個体の割合が1150本と高く(株数410本)、単幹個体は930本であった。平均幹直径が10cm(最大径は33.5cm)強、最大樹高が約10m程度の林分であり、BAは約24m^2/haであった。支柱根の多さは本林分を特色づけており、現存量推定値は幹80.3t/ha、枝50.2t/ha、葉11.7t/haであったのに対し、地上根現存量は130.1t/haと高く、地上部全体の47.8%を占めていた。立地安定のため、支柱根に多くの投資をしている。 2.リター分解及び材腐朽過程調査 サンゴ礁原マングローブ林に設置したリタートラップから回収された落葉枝は1年間で約11ton/haであり、林分の海側と陸側との間に明瞭な差はなかった。既誤のエスチュアリプロットにおいて腐朽菌の林分内水平分布解析用試料を採取できた。 3.チューク州マングローブ林概査 チューク州のマングローブ林の多くは荒廃し、ゴミ等の投棄が多くみられた。同州では炭素蓄積の場としてマングローブが果たす役割は既に小さい。州間でのマングローブ保全及び利用実態に大きな差が認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田淵隆一ほか: "ポンペイ島北岸の先駆性Sonneratia alba林の気根量"日本熱帯生態学会年次大会講演要旨集. 13. 27 (2003)
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[Publications] 石原修一ほか: "Sonneratia albaの栄養繁殖とマングローブ林の海側への拡張"日本熱帯生態学会年次大会講演要旨集. 13. 28 (2003)
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[Publications] 宮城豊彦ほか: "マングローブ-なりたち・人びと・みらい-"古今書院. 193 (2003)