2004 Fiscal Year Annual Research Report
エルニーニョ影響下の太平洋熱帯域における沿岸生態系群集構造:水産基盤の検討
Project/Area Number |
14255013
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡慶次 睦範 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30291983)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 哲 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (30112288)
|
Keywords | 太平洋熱帯域 / 沿岸生態系 / エルニーニョ現象 / サンゴ礁群集 / 魚類群集 / 水産利用種 |
Research Abstract |
1.西部太平洋熱帯沿岸域におけるサンゴ礁生態系の構造に関する基本データを得るために、スラウェジ北部の沿岸生態系の調査を2004年9月から10月にかけておこなった。調査に当たっては、インドネシア・マナドポリテクニク大ダウド氏とサムラトランギ大学のパルンツ氏の協力を得た。 2.前年度と同じくスラウェジ北部のサンゴ礁域に調査地を設け、スキューバダイビングによる定量観察を実施した。本年度は調査期間中潮位が低い状況が続いたため、水深の浅いリーフエッジから礁原へかけての観察は困難なことが多く、トランゼクトによってはリーフエッジのみの観察にとどめる必要があった。昨年と基本的に同じ観察方法により魚類群集に関するデータを得た。魚種に関しては、大きな変化は見られなかった。また、水産市場調査から得られたデータの処理を進めた。 3.本年度は調査の前半に水温が通常よりかなり低い期間があり、サンゴ礁生物群集に対する影響が懸念された。この期間の温度変化は幸いに昨年度ブナケン島南部に設置したデータロガーに記録が残ったため、貴重なデータとなった。データロガーは2機とも回収に成功し、新たに4機を設置した。このうち1機は、これまで設置したことのなかった潮流の強いシラデン島東岸リーフに設置した。 4.北部のナイン島およびモンテハゲ島での調査では、昨年と比べ、オニヒトデAcanthaster planciの個体数が明らかに増えており、サンゴに対する食害が広がっている状況が観察された。これに伴い、特にナイン島近辺のリーフでは、魚類群集が貧弱化する傾向が見られた。 5.太平洋東岸熱帯域の沿岸調査として、ペルーにおける調査を2005年1-2月に行った。昨年度潮下帯上部に設置した水中データロガー2機のうち1機のみ回収に成功した。沿岸生物群集に関する生態観察とデータの収集をおこなった。アナログ映像データのデジタル化を進めた。
|
Research Products
(1 results)