2005 Fiscal Year Annual Research Report
エルニーニョ影響下の太平洋熱帯域における沿岸生態系群集構造:水産基盤の検討
Project/Area Number |
14255013
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
渡慶次 睦範 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30291983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 哲 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (30112288)
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Keywords | 太平洋熱帯域 / 沿岸生態系 / エルニーニョ現象 / サンゴ礁群集 / 魚類群集 / 水産利用種 |
Research Abstract |
1.西部太平洋熱帯沿岸域に特徴的なサンゴ礁生態系の構造に関する基本データを得るために、スラウェジ北部の沿岸生態系の調査を2005年9月から10月にかけておこなった。調査に当たっては、インドネシア・マナドポリテクニク大ダウド氏とサムラトランギ大学のパルンツ氏の協力を得た。スラウェジ北部のサンゴ礁域に調査地を設け、スキューバダイビングによる定量観察を実施した。本年度はこれまで調査の機会があまりなかったブナケン島東部の沿岸海域で特に集中的に調査を行った。 2.前年度ブナケン島南部に設置したデータロガー3機のうち2機の回収に成功し、シラデン島東岸リーフに設置した1機も回収した。また、マングローブ帯に設置したロガーも回収した。これらのデータから一昨年度見られたような異常な海水温度変化は今回確認しなかった。 3.サンゴ種間の競争関係に関するデータの解析を行った。特に、複数種がサイクリックな関係を作っていることが天草およびインドネシア両方のデータから確認され、群集構造維持の観点から大変重要な現象であることが認識された。 4.太平洋東岸熱帯域の沿岸調査として、ペルーにおける調査を2006年1-2月に行った。昨年度潮下帯上部に設置したデータロガー3機のうち2機の回収に成功した。また、サンマルコス大ロメロ氏の協力で昨年5月にAhnfeltia帯に設置したロガーも回収した。潮間帯のマイクロハビタット間の温度パターンについて大変有意義な結果が得られた。熱帯の緯度にもかかわらず、直射日光が当たっていても、岩盤上のAhnfeltia帯では摂氏20度を超えることがないことが確認された。沿岸生物群集、特に潮間帯の空間スケール分布動態と高次捕食者としてのヒトデ類の個体群生態・食性パターンを調べた。
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Research Products
(3 results)