2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14256004
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西渕 光昭 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (50189304)
|
Keywords | 新型腸炎ビブリオ / O139型コレラ菌 / MLST法 / DNAフィンガープリント / ベンガル / バングラディッシュ |
Research Abstract |
アジア地域でのサンプリングと分離菌の遺伝学的解析を継続した結果、バングラデシュの環境水から新型腸炎ビブリオに確定できる菌株が得られた。本研究ではアジア各地の環境(貝類)および患者から分離してきた新型腸炎ビブリオ菌株とDNAフィンガープリントの比較(AP-PCR法)で区別できない菌株がスペインで患者から分離されたことを確認し、この新型クローンによる世界的大流行がさらに広がっていることを明らかにした。新型腸炎ビブリオ菌株の系統関係を明らかにするため、11種類の遺伝子の塩基配列を連結し、60菌株で系統解析を行った。その結果、近年流行し始めているO4:K68やO1:KUTなどについても新型O3:K6と同じグループに分類されることを確認した。またO3:K6のグループと同じ系統に含まれ新型O3:K6菌株の祖先型菌株ではないかと考えられる菌株が見つかった。またバングラデッシュ、マレーシア、および日本で長年にわたって分離されてきた臨床分離菌株をDNAフィンガープリンティング法(AP-PCRおよびERIC-PCR)で検査してタイピングし、1996年以前にO3:K6新クローンとは異なるクローンに属する腸炎ビブリオによる感染症の国際的伝播が存在した可能性を示唆する結果が得られた。 コレラ菌については新型(O139血清型)を含む79菌株について、5種の遺伝子の塩基配列をMLST法で比較し、37種のシーケンスタイプに区別、5群の系統に大別できた。ベンガル地域の分離株を中心とする53%の被検菌株が1種のシーケンスタイプに属しており、かつてPFGE法で推定した新型コレラ菌のベンガル地域からマレーシアへの伝播経路を支持する結果が得られた。
|
Research Products
(9 results)