2003 Fiscal Year Annual Research Report
HIV母子感染ならびにエイズ発症に影響を及ぼす因子の解明
Project/Area Number |
14256005
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
市村 宏 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10264756)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 景規 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70204104)
|
Keywords | HIV母子感染 / ケモカインレセプター / 遺伝子多型 / 分化進化 / ケニア |
Research Abstract |
HIV(human immunodeficiency virus)感染症では、HIV感受性及び感染後の病態進行速度に個人差があることが知られている。近年、これらの原因となる宿主因子が明らかになりつつある。しかしながら、HIV母子感染例の大半を占めるアフリカにおいて、宿主因子がHIV母子感染に与える影響を調査した報告は少なく、その評価は確立していない。本研究ではHIVコレセプター遺伝子多型に着目し、HIV母子感染及び感染後の病態進行速度との関係を明らかにすることを目的とした。 1996年から2001年にかけてケニア西部で行われた「短期ジドブジン(ZDV)投与によるHIV母子感染予防のコホート研究」に参加した妊婦から生まれた小児147名(母親が短期ZDV投与を受けた小児114名、受けていない小児33名)を対象とした。末梢血リンパ球からゲノムDNAを抽出し、PCR法を用いて増幅し、RFLP法とダイレクトシークエンス法を用いて遺伝子多型(SNP)を決定した。HIVコレセプターの1つであるCCR5プロモーター領域内の7ヶ所(-2733A/G、-2554G/T、-2459G/A、-2135T/C、-2132C/T、-2086A/G、-1835C/T)、CCR5翻訳領域内のA335V、CCR2翻訳領域内のV641、RANTES遺伝子(In 1.1T/C)について検討を行った。種々のSNPとHIV母子感染及び出生後2年間の生存率の推移との相関について検討を行った結果、ZDV投与群では、CCR5プロモーター領域内の-2554がT/Tである児はG/Gである児に比べて、また-2132がT/Tである児はC/Cである児に比べて母子感染の危険が増大する傾向がみられた。よって、-2132T/T及び-2554T/TがHIV母子感染の危険を増大する可能性が示唆された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Songok EM. et al.: "Active generation and selection for HIV intersubtype A/D recombinant forms in aco-infected patient in Kenya"AIDS Res.Hum.Retroviruses. 20(2). 255-258 (2004)
-
[Publications] Songok EM. et al.: "Experiences on the use of short course zidovudine to prevent perinatal transmission of HIV in rural Kenya"Am.J.Trop.Med.Hyg.. 69(1). 8-13 (2003)
-
[Publications] Nicaise N. et al.: "HIV-1 infection in Pygmy hunter gatherers is from contact with Bantu rather than with nonhuman primates"AIDS Res.Hum.Retroviruses. 19(5). 435-439 (2003)
-
[Publications] Songok EM. et al.: "Identification of Env CRF 10 among HIV Variants Circulating in Rural Western Kenya"AIDS Res.Hum.Retroviruses. 19(2). 161-165 (2003)