2004 Fiscal Year Annual Research Report
HIV母子感染ならびにエイズ発症に影響を及ぼす因子の解明
Project/Area Number |
14256005
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
市村 宏 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10264756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
景山 誠二 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60252706)
荻野 景規 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70204104)
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Keywords | HIV母子感染 / 遺伝子多型 / 分化進化 / 小児エイズ / ケニア |
Research Abstract |
HIV(human immunodeficiency virus)コレセプター遺伝子多型を始めとする種々の宿主因子とHIV母子感染ならびに児の病態進行速度との関係を明らかにすることを目的として、ケニア・ナイロビ市内のNyumbani孤児院に入所しているHIV感染孤児85名から採血、末梢血単核球よりゲノムDNAを抽出し、種々のケモカインレセプター関連遺伝子変異の有無の解析を行っている。また、これらの孤児の抗HIV薬の服薬履歴、過去の検体保存リストを作成した。 昨年までに、HIVコレセプター(CCR5、CCR2)及びCCR5の生理的リガンドであるRANTES内の遺伝子多型(SNP)のうち10ヶ所について、ケニアの田舎で抗HIV抗体陽性の妊婦から生まれた小児147名を対象としHIV母子感染率及び感染児の予後との関係を検討し、CCR5プロモーター領域内の-2132T/T及び-2554T/Tがアフリカ(ケニア)人においてHIV母子感染の危険を増大する可能性を報告した。今回、さらにHIVコレセプターCXCR4の生理的リガンドであるSDF1遺伝子の3'UTR、CCR5の生理的リガンドであるRANTESのプロモーター領域及びIL-4のプロモーター領域内のSNPに着目し、HIV母子感染との関係を検討した。これらのSNPとHIV母子感染との相関について検討を行った結果、ZDV非投与群で、RANTESプロモーター領域内の-403がA/Aである児はG/Aである児に比べて母子感染の危険が減少する傾向がみられたが、有意ではなかった(OR:0.14,[0.018,1.161]。他のSNPとの間には特に関連は認められなかった。今後、これらのSNPの出生後の生存率推移への影響も併せて検討する予定である。
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Research Products
(3 results)