2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新田 孝彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00113598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 大 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 助教授 (40237227)
千葉 恵 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30227326)
石原 孝二 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30291991)
山田 友幸 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40166723)
中澤 務 関西大学, 文学部, 助教授 (10241283)
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Keywords | 行為 / 認知 / 言語 / 現象学 / 自由意志 / 責任 |
Research Abstract |
研究年度初年にあたる本年度においては、行為と認知の統合理論の基礎を固めるために、国内外の研究動向の調査などを行ない、基本的な論点の整理を行なってきた。とはいえ、初年度ということもあり、個人研究はともかく、グループすべての共同研究が進捗しているとはいいがたいが、それでも以下の研究成果を得ることができた。 グループ「意図的行為と行為の合理性に関する基礎研究」では、成田和信氏(慶応大学)を招き「責任と自由」という研究発表をしてもらい、研究代表者と同グループ全員で研究課題に関する議論を行うことができた(2002年12月12日於北海道大学)。哲学的行為論においては、自由意志の存立可能性が一つの重大なトピックとなるのだが、この点を主として倫理学的観点から責任概念と関連させた成田氏発表とその後の討論は、本研究に多大な寄与をもたらした。 さらに、グループ「行為の理論と人工知能研究」では認知科学の知見をふまえた行為論の探求が目標とされているが、このグループでは国際学会で二つの研究発表がなされた。研究分担者石原はアメリカでの国際カンファレンスPhenomenology as Bridge Between Asia and the Westで"Phenomenology of Situated Action : Western and Japanese Perspectives on skillful action,"という研究発表をしている(2002年5月7日から10日於フロリダ大学)。さらに、研究分担者山田と野村は「国際シンポジウム-言語・行為・認知-」において"Some Channel Theoretic Considerations on Situations and Information"との研究発表をしている(2003年2月24日於北海道大学)。これらアメリカの現象学者や、スウェーデン、日本の言語学あるいはコンピュータ科学の研究者との国際的かつ学際的レヴェルの議論は、本研究課題全般にわたる貴重な財産となるだろう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石原 孝二: "認知科学における状況論的アプローチとハイデガー"哲学年報(北海道哲学会編). 49. 1-16 (2002)
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[Publications] 千葉 恵: "『ロマ書』におけるパウロの意味論-「ピスティスの二相ー」"日本の聖書学. 8. 85-146 (2003)
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[Publications] 蔵田 伸雄: "ヒトクローンの生命倫理"月刊 新医療. 329. 92-94 (2002)
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[Publications] 中川 大: "フレーゲ的記号法とルイス・キャロルのパラドクス"哲学年報(北海道哲学会編). 49. 1-13 (2002)
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[Publications] 山田 友幸: "ポール・グライス著、清塚邦彦訳『論理と会話』"科学哲学. 35-1. 101-317 (2002)
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[Publications] 野本和幸, 山田友幸編: "言語哲学を学ぶ人のために"世界思想社. 276 (2002)