2002 Fiscal Year Annual Research Report
哲学的概念としてのグローバリゼーションとローカリゼーション
Project/Area Number |
14310004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
溝口 宏平 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80116178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 太郎 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (50239571)
山形 頼洋 大阪大学, 文学研究科, 教授 (60030178)
里見 軍之 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50066685)
中岡 成文 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00137358)
入江 幸男 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (70160075)
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Keywords | グローバリゼーション / ローカリゼーション / 国際化 / 帝国 / 風土 / コミュニケーション / 生活世界 / 物象化 |
Research Abstract |
グローバリゼーションの現象を哲学的に捉えるために、以下のような研究を行った。 A.原理の考究:1)空間および時間とグローバリゼーション。2)物象化とグローバリゼーション。3)生活世界とグローバリゼーション B.視点の探求:1)従前の「国際化」と現今のグローバリゼーションの相違点。2)<帝国>(A・ネグリ/M・ハート)とグローバリゼーション。3)「風土」(和辻-ベルク)とグローバリゼーション。4)グローバリゼーションとコミュニケーションの変質。5)グローバリゼーションと対抗する運動。 現代において急速に進展しつつある経済-政治的現象としてのグローバリゼーションを哲学的に分析する際に取るべき方法は、原理から現象を演繹するのではなく、現象を俯瞰する視点から批判的考究を必要とする原理へ遡及する方法である。つまりわれわれの研究は、全体としてBからAへという方法論的態度の下に行われつつある。初年度である本年度は、論文として成果を出すに至っていないが、研究分担者はそれぞれの視点から問題に取り組んでいる。 なおB-5に関して、フランスで調査を実施した。J・ボヴェの事例に見るように、グローバリゼーションに対抗する運動はローカリゼーションとして概念化されるものではない。それは、たとえば「環境」という、本来は経済-政治的な現象の位相には位置しないが、これまたグローバルな概念と結合して、現今のグローバリゼーションを内破する勢力を生み出しつつある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 溝口宏平: "為了自然与人類新的関係"新世紀価値観-中日学者論文集. 280-287 (2002)
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[Publications] 中岡成文: "<精神の力>としての権利-ヘーゲルのRecht論に寄せて"倫理学研究. 第33集. (2003)
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[Publications] 山形頼洋: "西田哲学における行為的自己とフランス哲学における自我と他者"哲学研究. 第五百七十四号. 1-38 (2002)
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[Publications] 山形頼洋: "現象学の形而上学化と他者の問題"現象学年報. 18. 45-57 (2002)
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[Publications] 入江幸男: "Models and Illocutionary Acts"IA'02 Proceedings of International Symposium for young Researchers on Modeling and their Applications. 1-4 (2002)
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[Publications] 本間直樹: "強度のシステム-『差異と反復』におけるフロイト解釈に寄せて"待兼山論叢. 第36号. 1-16 (2002)