2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310006
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
別所 良美 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (10219149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 宏平 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80116178)
野家 啓一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40103220)
森 秀樹 立教大学, 文学部, 教授 (60103389)
横山 輝雄 南山大学, 人文学部, 教授 (80148303)
伊坂 青司 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (30175195)
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Keywords | 共生 / 和合 / 国家 / 政治的公共性 / グローバリズム |
Research Abstract |
本年度は、国内での研究会を3回および幾度かの意見交換を行い、また海外の研究協力者とは2004年9月8-9日に中国浙江省杭州市の浙江樹人大学・語言学院・東亜研究所において「国家間の共生を求めて:文化の多元性と政治的共生」というテーマでシンポジウムを行った。このシンポジウムにはこれまでのメンバーの他に中国社会科学院の蘇国勲教授に参加していただき「国民〔民族〕国家関係から見た文化の衝突と共生」という報告を行っていただいた。「国家間の共生」というテーマを社会学者の観点から深める議論が出来たと考えている。 本年度は本科研費研究の最終年度に当たり、これまで各研究参加者が行った報告やそれについての全体での議論を総合し、国家間の共生についての社会哲学的議論をまとめることに重点を置いてきた。研究成果の具体的内容は報告集にまとめられるが、その議論は次の3点をめぐるものである。すなわち、第一に、「国家間の共生」をめぐる特殊性と普遍性との対立、換言すれば「文化ナショナリズム」の問題に如何に対処するかという問題がある。第二に、「国家間の共生」という制度論的な次元における問題設定によって抜け落ちてしまいがちな「他者性」の問題を、共生の原理問題として確認しておく必要がある。さらに第三に、「国家間の共生」というテーマの背景となるグローバリゼーションという現実をどのように理解し、それにどのように対処するかという問題である。 以上の主要問題設定に従い、本研究の成果として本報告書は、第一部 共生とナショナリズム、第二部 共生と他者への感受性、第三部 共生とグローバリゼーション、という三部構成となり、研究分担者・協力者の諸論文が配置されている。報告論文については、Eメールによる事前の相互批判を行い、また研究会においてさらに検討したものである。
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Research Products
(6 results)