2002 Fiscal Year Annual Research Report
イスラム教と接触以後の南アジア諸宗教の相互関係に関する研究
Project/Area Number |
14310011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永ノ尾 信悟 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40140959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 淳 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40202147)
片岡 啓 東京大学, 東洋文化研究所, 助手 (60334273)
斎藤 明 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80170489)
森 雅秀 金沢大学, 文学部, 助教授 (90230078)
島 岩 金沢大学, 文学部, 教授 (40115580)
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Keywords | ヒンドゥー教 / 仏教 / スーフィズム / タントラ / 密教 / 変容 / 思想交流 |
Research Abstract |
1.14世紀から15世紀にかけてベンガル地方で作られたとされる、現存しないサンスクリット文献のアムリタクンダ『不死の池』のアラビア語及びペルシア語訳のハウズル・ハヤート『命の池』が扱う7つの主題のうち、4.精液から肉体が形成される過程と7.死の予兆と克服に関して、研究分担者たちが専門とするそれぞれの分野の文献における記述を収集して分析を行った。4.に関してはポスト・ヴェーダ期とされるガルバ・ウパニシャッドやマハーバーラタ、古代インド医学文献、初期仏教文献、法典文献、プラーナ文献、タントラ・密教文献など、7.に関しては後期ヴェーダ文献、マハーバーラタ、古代インド医学文献、プラーナ文献、占術文献、タントラ・密教文献、ジャイナ教文献、ダルマニバンダ文献などに記述を見ることができた。4.の胎児発生に関する記述は、古代インド医学文献の記述が最も詳細であり、他の文献の記述もかなりの類似性を示す。宗教的な関心からは、胎児発生の記述が魂の輪廻の説と結び付けられている場合が多く、この視点は文献のジャンルや宗教の伝承と関わりなくかなり共通する視点であることが分かった。7.の死の予兆の列挙にもさまざまな伝承の間にかなりの類似性を見ることができた。ただし、死の予兆を知った後の対処方として、儀礼的に死を克服することを試みるか、最後の解脱を目指しての修行を奨励するかの二つの方途にわかれるが、この二つの対策は、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教のすべてに見られるものであった。 2.写本のコピーの収集としては、森が研究協力者とともに南インドとネパールのカトゥマンドゥにおいて、榊がインドとイスタンブールにおいて調査収集を行った。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 永ノ尾信悟: "Two Ritual Topics in the Yajnavalkya Smrti : The Thirthas in the Hand and Pranayama"南アジア研究. 14. 20-39 (2002)
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[Publications] 永ノ尾信悟: "Notes on the Inauguration Ceremony of a Water Reservoir"東アジア仏教-その成立と展開(春秋社). 71-86 (2002)
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[Publications] 永ノ尾信悟: "古代インドの儀礼における酒の使用"吉田集而編『酒をめぐる地域間比較研究』JCAS連携研究成果報告. 4. 149-165 (2003)
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[Publications] 斎藤 明: "アクシャヤマティとシャーンティデーヴァ"東アジア仏教-その成立と展開(春秋社). 533-551 (2002)
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[Publications] 斎藤 明: "セルリンパが伝承する『入菩薩行論』とその思想"仏教の修行法(春秋社). 372-406 (2003)
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[Publications] 斎藤 明: "『大智度論』所収の『中論』頌考"東洋文化研究所紀要. 143. 224-189 (2003)
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[Publications] 片岡 啓: "仏陀の慈悲と権威をめぐる聖典解釈学と仏教論理学の対立"東京大学東洋文化研究所紀要. 142. 198-158 (2003)
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[Publications] 島 岩: "『聖註』1.1.1-4 和訳[7]-[17]"金沢大学文学部論集(行動科学科・哲学編). 22. 69-84 (2002)
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[Publications] 森 雅秀: "インドの不空羂索観音像"佛教藝術. 262. 43-67 (2002)
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[Publications] 森 雅秀: "The Kalacakna and Tantric Deities Preserved in the Boston Museum of Fine Arts"Buddhist and Indian Studios in Hounour of Professor Sudo Mori. 267-284 (2002)
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[Publications] 森 雅秀: "ヴァーストゥナーガに関する考察"東京大学東洋文化研究所紀要. 142. 219-263 (2003)
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[Publications] 榊 和良: "ナータ派研究序説"印度哲学仏教学. 17. 165-178 (2002)
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[Publications] 島 岩: "シャンカラ"清水書院. 254 (2002)