2004 Fiscal Year Annual Research Report
美的文化と環境-21世紀における環境美学の視点から-
Project/Area Number |
14310025
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Research Institution | HIROSHIMA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉井 章 広島市立大学, 芸術学部, 助教授 (40275417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 晉 東亜大学, 綜合人間文化学部, 教授 (50034591)
岡田 三郎 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (90040732)
利光 功 大分県立芸術文化短期大学, 教授 (00074310)
室井 尚 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (50219953)
椎原 伸博 実践女子大学, 文学部, 助教授 (20276679)
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Keywords | 環境美学 / 環境の現象学 / 自然 / 人工環境 / 都市の公共性 / 環境芸術 / 記憶としての都市造形 / 超現実空間 |
Research Abstract |
平成16年度の本研究の目的は、前年度までの実績を纏めることである。そこで、21世紀の環境に関わる美的文化の在り方のスタンダードを各分担研究者が報告し、統括する。すなわち先ず、I理論研究[環境美学の射程]、およびII個別研究[美的文化と環境]の各組織で、共通に遂行した結果と、前年までの研究成果を纏めて『報告書』を作成する。それは、2年間の集積によって次のように行われた。 (1)[文献資料等の蒐集]美学・芸術学・環境論・メディア論・都市論等の図書や写真集等の蒐集。 (2)[環境と美的文化の実地調査]美的文化に関わる多面的で広義の環境の実地調査。 (3)[研究連絡会議の開催]代表者が各地に分散する分担者の研究状況を常に掌握するために行われた。以上3点から得られた成果を基に発表する。 次ぎに、研究の実質内容の着地点の概要報告をする。先ず、I理論研究では、元代表者武藤は、「展望-21世紀の環境美学-」の下で、おおまかな理論的枠組みを構想し、環境を自然環境=第一次自然と人工環境=第三次自然とに区別し、そこに介入するものとしての第二次自然たる人類(アーティスト)の美的営為を構造的に纏めて論述。金田は、「美的環境の現象学」の下で、このように構造化されうる自然を人間の意識における現象を通して論述。岡田は、「美的環境形成論」の下で、とりわけ超現実環境として強度の現実感を与える都市空間の問題に方向性を見出す論述。関村は、「自然美学の立場」から環境を考察の対象として論述。次ぎに、II個別研究では、各分担者はそれぞれ、「美的環境の自然性」、「環境とデザイン」、「記憶としての都市造形」、「都市における隠喩表現」、「都市の景観」、「美的生活と都市」、「美的環境と身体」、「美的文化と公共性」、「都市環境における野外造形」、「都市環境と絵画の引用」等の問題を追求したその結果を、それぞれ各ジャンルからその研究成果を報告する。
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Research Products
(4 results)