2004 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠母親ラットのストレスが仔の欲求性性機能の発達に及ぼす影響
Project/Area Number |
14310039
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 弘 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20209167)
中村 直人 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (30211436)
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Keywords | 胎仔 / ラット / ストレス / 条件性場所選好 / コカイン / 移所活動 |
Research Abstract |
妊娠13から17日目の5日間にわたって,1目45分x3回(ストレス群)または0分(非ストレス群)の拘束ストレスに曝された母親から生まれたそれぞれの仔ラットが成長後に示すコカイン誘発性場所選好とコカイン誘発性移所活動の特徴について検索した。 コカイン誘発性場所選好テストには生後78-108日齢のラットを用いた。白、黒、中央灰色の3部屋からなる場所選好テスト箱を用い、装置馴化(15分,2日間)の翌日プレテストを行い、被験動物の各部屋に対する選好のベースラインを測定した(15分,1日間)。プレテストの翌日から3日間にわたって、午前・午後の各2回各30分間の場所条件づけを行った。すなわち、午前は全被験体に生理食塩水を腹腔内投与し、白と黒のうちどちらかの箱に閉じ込めた。また午後はコカイン(0,2.5,5,10mg/kg)を投与し午前と反対側の箱に閉じ込めた。午前と午後の条件づけの間隔は8-10時間とした。場所条件付け期間終了の翌日に、ラットが各々の箱に進入した回数と滞在時間を15分間にわたって測定した。コカイン誘発性移所活動についても生後78-108日齢のラットを用いた。天井に赤外線センサーを取り付けた活動量測定箱(30x30x35cm)を用い、コカイン投与(10mg/kg)投与前3時間と投与後3時間の移所活動量を測定した。 その結果、(1)コカイン誘発性場所選好には、非ストレス群とストレス群の間で有意差が認められた。すなわち、ストレス群は低濃度(5mg/kg)のコカインに対しても有意な場所選好を示した。しかしながら、(2)コカイン誘発性移所活動には、両群間で有意差は認められなかった。 以上により、妊娠母親ラットに対する1日45分x3回の拘束ストレスは仔の成長後の報酬機能を亢進することが示唆された。
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Research Products
(2 results)