2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310043
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
和氣 典二 中京大学, 心理学部, 教授 (20125818)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 孝行 中京大学, 心理学部, 教授 (20065163)
辻 敬一郎 中京大学, 心理学部, 教授 (20023591)
宮尾 克 名古屋大学, 情報連携基盤センター・情報基盤ネットワーク研究部門, 教授 (70157593)
宮岡 徹 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (00111815)
高橋 伸子 中京大学, 心理学部, 助手 (20216740)
|
Keywords | 高齢者 / 視覚障害者 / 視覚探索 / ロービジョン / 視認性 / 眼球運動 / 視野制限 / 触覚探索 |
Research Abstract |
(1)高齢ロービジョン者のシミュレーションと視機能評価では、視野の感度特性を考慮に入れた新たな視認性の測定法が必要である。そこで、一定の視野領域内の種々の位置に視標を提示し、正答率を測定するという方法を採用した。その結果によると、提示視野が大きくなれば、色名報告や形状報告の正答率はどの視力のもとでも低下する。また、色名報告の方が形状報告より高い正答率を示す。この結果は若年者のものであるが、高齢者もほぼ似た傾向を示しているが、現在被験者数を増やしている。網膜色素変性などによる視野狭窄をシミュレーションするため、アイ・リンクを用いて制限視野とパターン認識の関係を調べた。その結果、視野が狭くなると、正答率は低下し、サッケードの潜時が長くなり、振幅が短くなり、停留時間が長くなった。現在被験者数を増やしている。(2)視機能の評価法では、色による視覚探索を臨界色差という点から検討した。10×10個の漢字を視覚デイスプレイに提示したテスト文字と妨害文字の色組み合わせを7種類取り上げ、それらを等輝度にした。色差(L^*a^*b^*)が大きくなると、反応時間は直線的に短くなり、色差がある値以上の色差になると、反応時間は一定値を示す。さらに、視力1.0以上の高齢者の臨界色差は若年者のものよりかなり長いという加齢の効果を得ている。また、2重課題下において、有効視野を検討するためのプログラムを作成した。(3.)全盲触覚では、触覚デイスプレイに4x4個あるいは8x8個のピンから成る正方形を5個配列した。うち1個の正方形がテスト刺激である。先ず、マイスナー小体に対応する低振動周波数とパチニー小体に対応する高振動周波数を組合わせてテスト刺激を検出できる反応時間を求めた。その結果、周波数の差が極端に大きいと反応時間は6秒から8秒であるが、40Hzと50Hzの組み合わせでは約27秒、25Hzと40Hzの組み合わせでは約23秒というように長くなる.このことから、触覚探索という現象の存在が確かめられた。また、人さし指のみを使用するより複数の指を使った方がわずかに成績がよいようである。解像力とテクスチュアとの関係は目下実験中である。触覚的注意に関しては、現在変化盲について検討中であり、次年度に引き継ぐ。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 和氣典二: "ロービジョン者の視行動とバリアフリー"眼鏡学ジャーナル. vol.6 No.1. 3-12 (2002)
-
[Publications] 葭田貴子, 和氣典二, 苧坂直行: "Pop-out刺激によるプライミングの記憶容量と加齢の効果"心理学研究. (受理). (2002)
-
[Publications] M.Omori, T.Watanabe, J.Takai, H.Takada, M.Miyao: "Visibility and characteristics of the mobile phone for elderly people"BEHAVIOR & INFORMATION THECHNOLOGY. Vol.21, No.5. 313-316 (2002)