2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310046
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
八木 昭宏 関西学院大学, 文学部, 教授 (50166477)
|
Keywords | 事象関連電位 / 眼球運動 / 脳波 / 注意 |
Research Abstract |
本研究室では、脳の事象関連電位の一種として、ヒトの眼球運動が伴う場面で計測可能な眼球停留関連電位を発見し、従来より、その電位の解析装置の開発を進めてきた。既に特許の出願も行っている。今回の研究目的は、1.眼球停留関連電位の潜時が100msだけでなく、複数の潜時帯における脳電位の成分の分布マップを、時々刻々表示するシステムを開発すること、2.注意の時間的変動の解析を行うこと、3.眼球停留関連電位の基礎となる動く対象物への注意や眼球運動の研究を実施することである。本年度においては、計画通り、先ず眼球停留関連電位の頭皮上マップ解析システムの開発を進め、マップがアニメーション状に変動する様子と時間経過を同時表示するシステムを試作した。そのため備品としては高速コンピュータに装着するCPUの部品を購入した。刺激を様々に変化させた実験条件下で、脳波と眼球運動を現有の多チャンネル脳波計測システムで計測し、試作したシステムの性能のテストを実施している。当初、申請したシステム本体の高速コンピュータの一部が予算削除により購入できなかったため、現有機器を改造し複数成分については、オフラインで処理するシステムの開発を進めている。並行して注意の基本となるターゲットが動く事態での対象認知の復帰抑制の効果を調べることと、物体の回転認知、顔の認知の実験研究を進めている。これらの成果を、学会誌、国際ヒト脳機能マッピング学会をはじめ国際学会、国内学会等で発表している。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Nagai, M., Kazai, K., Yagi, A.: "Larger forward memory displacement in the direction of gravity"Visual Cognition. 9(1/2). 28-40 (2002)
-
[Publications] 八木昭宏: "心理工学の分野"心理学評論. 45(1). 4-16 (2002)
-
[Publications] 八木昭宏: "眼球停留関連電位の産業場面への応用"心理学評論. 45(1). 103-117 (2002)
-
[Publications] Hibi, Y., Takeda, Y., Yagi, A.: "Attentional level and negative priming in hierarchical patterns"Japanese Psychological Research. 44(4). 241-246 (2002)
-
[Publications] Ogawa, H., Yagi, A.: "The implicit processing in multiple object tracking"Attention & Cognition. 1. 1-4 (2002)
-
[Publications] Kanamori, N., Yagi, A.: "The difference between flipping strategy and spinning strategy in mental rotation"Perception. 31(12). 1459-1466 (2002)