2003 Fiscal Year Annual Research Report
かしこい市民を育む経済学教育の展開とその教育心理学的評価
Project/Area Number |
14310057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
子安 増生 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70115658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科, 助教授 (70195444)
西村 周三 京都大学, 経済学研究科, 教授 (10027576)
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
藤村 宣之 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (20270861)
菊池 聡 信州大学, 人文学部, 助教授 (30262679)
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Keywords | 経済心理 / 教育投資 / リスク認知 / 意思決定 / 詐欺商法 / クリティカルシンキング / 説明責任 / 企業の社会的行動 |
Research Abstract |
本年度は、「かしこい市民を育む」ための前提として、市民(高齢者を含む成人、および小学生を対象)に必要なシヴィル・ミニマムとしての経済知識に関する2つの調査を実施した。 I.調査に含める項目内容として、(1)金融・中央銀行・消費・景気動向・貿易・税金など経済学の基礎知識、(2)医療・生命保険の基礎知識と保険に対する態度、(3)資産運用を中心とした日常活動に伴うリスク認知とリスクテーキング行動、(4)詐欺商法(キャッチセールス、マルチまがい商法、運勢商法など)に関する態度、(5)官庁・企業の経済活動とそれに伴う説明責任に関する意見・態度、(6)教育投資論と教育における市場原理導入などに関する意見・態度、(7)経済学の予測力と有用性の認知、などについて綿密な概念整理を行い、A4判8ページからなる質問紙を作成した。対象は、東京都、さいたま市、松本市、京都市の大学生ほか915人(男523人、女391人、不明1人)である。全体として、対象者の経済知識は高いとはいえず、学校教育のあらゆる段階での経済教育の必要性が浮き彫りにされた。 II.小学生を対象とする金融知識と消費行動に関して、特に(1)小遣いの実態とその使い方、(2)銀行・郵便局などの金融機関の役割に関する知識、(3)商品購入時に必要な知識と購入動機、(4)価格の決定因に関する理解、などに関する知識と態度を調べる項目を中心に、A4判8ページからなる質問紙を作成し、京都市とさいたま市で実施した。結果は現在分析中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 安藤花恵, 子安増生: "演劇経験の有無による味覚表情の表出ならびに演技の差異"認知科学. 11・1. 61-74 (2004)
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[Publications] 鈴木亜由美, 子安増生, 安寧: "幼児の意図理解と社会的問題解決能力の発達"発達心理学研究. (印刷中). (2004)
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[Publications] Kazuo Nishimura, Yoshikazu Tobinaga: "Working on the brain and rationality in economic behavior"IJCNN and IEEE Neural Networks Society. 2604-2608 (2003)
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[Publications] 上市秀雄, 楠見孝: "後悔の時間的変化と対処法:意思決定スタイルと行動選択の関連性"心理学研究. 74・6. 487-495 (2004)
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[Publications] 菊池 聡: "血液型占いや迷信を信じるこころ"児童心理. 11. 107-112 (2003)
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[Publications] 藤村宣之: "子どもは商品の値段のしくみをどのように推測するか"児童心理. 11. 113-118 (2003)
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[Publications] 小口孝司, 楠見孝, 今井芳昭: "エミネントホワイト:ホワイトカラーへの産業・組織心理学からの提言"北大路書房. 212 (2003)