2003 Fiscal Year Annual Research Report
ドライバーのための「セルフコントロール能力」教育の開発
Project/Area Number |
14310066
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
小川 和久 広島国際大学, 人間環境学部, 助教授 (00224098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 博雄 東北工業大学, 工学部, 教授 (90077503)
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Keywords | 自己コントロール / 運転者教育 / 運転適性検査 / 自己評価スキル |
Research Abstract |
本研究の目的は,運転行動の階層スキルに基づいた安全教育プログラムを開発し,その適切性を検証することである.階層モデルでは,自己評価・自己コントロールを,安全行動を規定する最上位のスキルとして位置づけている.従来の安全教育は,運転操作/危険予測スキルの学習にとどまり,自己評価スキルに焦点をあてた教育までには至っていない.自己評価スキルに着目した効果的な教育訓練のあり方を追求することが本研究の目標であり,そのための基礎データの収集を行うものである. 本年度は,車間距離を題材にした安全教育プログラムを制作し,電気エネルギー設備事業の従事員を対象に実践研究を行った.題材とした車間距離は,イライラや焦りなどの不安定感情が反映されやすい行動であり,自己コントロールの教育の題材に適している.教育内容は次の3点から構成されている.(1)車間距離の実態を客観的データにもとづいて認識する,(2)自らの車間距離の取り方に関して診断テストを受検する,(3)安全な車間距離の取り方について対処法を学ぶことである. 自らの車間距離行動に対する自己評価を,教育の実施前後で比較したところ,自己評価の変化については必ずしも一貫した傾向は見出されなかった.車間距離行動については,各人の日常の行動スタイルが反映されるため,すでに安全な車間距離を取っている者にとっては自己評価に変化は見られないことになる.ただし,車間距離の実測データの提示や診断テストの受検は,自己の認識をより客観的な方向へ修正することに役立っていることが,事後のアンケート調査から示唆された.また,教育内容についても関心をもって参加していたことが分かり,本プログラムの有効性をある程度確認することができた.今後,プログラムの修正を図るとともに,教育効果の測定方法についても改善を加える必要性がある.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小川和久: "自己評価スキルと交通安全-歩行者の自分を振り返る-"交通安全教育. 第38巻・第9号. 6-15 (2003)
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[Publications] 小川和久, 太田博雄: "ドライバーの年齢からみた走行中の情動反応"大阪交通科学研究会平成15年度研究発表会講演論文集. 19-20 (2003)