2004 Fiscal Year Annual Research Report
パーソナリティと不適応行動の発達に関する縦断的検討:生後20年間の追跡研究から
Project/Area Number |
14310067
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
菅原 ますみ お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (20211302)
|
Keywords | 縦断的研究 / パーソナリティの発達 / 遺伝と環境 / 子どもの不適応行動 |
Research Abstract |
子どもの健やかな心の発達を保障していくためには、誕生時から成人期に至るまでの発達過程の中で、いつ・どのような問題が、どのようなメカニズムで発生するのかについて、具体的で科学的根拠に基づく知見を得ることが必要であると考えられる。我が国においてもこうした知見を早急に蓄積して、その上での予防や介入策が講じられていかなければ、子どもたちにおこる悲惨な事件や問題を克服していくことはできない。本研究は1984年から開始された子どものパーソナリティと不適応行動の発達に関する縦断研究の終結をめざして、16年度には15年度より開始した青年期(18歳時調査、対象は現在までに住所が確認されているサンプル)での追跡調査を継続し、200世帯からの回答を得た。 今回収集した青年期のデータとこれまでに蓄積された計12時点での胎児期(母親の妊娠中)から思春期までのデータの結合作業をおこなった。この作業においては、子どものパーソナリティと不適応行動の発達の様相と関連メカニズムに関する青年期までの縦断的解析を実施するため、これまでに様々な方法によって収集した資料(質問紙調査、行動観察、精神科診断面接、対象児と両親との相互作用場面のビデオ録画データなど)の整理とデータベース化を進め、思春期までの結果について発表をおこなった。また、最終年度に予定されている最終追跡調査(成人期調査)のための準備として、パーソナリティに関連が予想される遺伝子関連要因の分析手法の開発(セロトニン、ドーパミン、MAOAに関する多型遺伝子を毛髪採取による手法によって抽出・解析をおこなう)と予備的調査を開始した。
|
Research Products
(2 results)