2005 Fiscal Year Annual Research Report
パーソナリティと不適応行動の発達に関する縦断的検討:生後20年間の追跡研究から
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14310067
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
菅原 ますみ お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (20211302)
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Keywords | 人格発達 / 不適応行動 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
子どもの健やかな心の発達を保障していくためには、誕生時から成人期に至るまでの発達過程の中で、いつ・どのような問題が、どのようなメカニズムで発生するのかについて、具体的で科学的根拠に基づく知見を得ることが必要であると考えられる。本研究は1984年から開始された子どものパーソナリティと不適応行動の発達に関する縦断研究の終結をめざして、平成17年度は妊娠期より青年期(18歳時点)までの計13時点での調査データを世帯ごとに連結し(対象児童、父親データ、母親データ)解析をおこなった。また本縦断研究の最終調査として成人期(20歳時)の追跡調査を開始した。本年度のまとめでは、乳児期から青年期に至るまでのパーソナリティの発達的安定性と変化性について生後6ヶ月から18歳時点までの長期縦断的解析を実施し考察した。1)児童期から思春期にかけての気質と性格のrank-order stability analysis、mean-level change analysis、individual-level change analysis、2)乳児期および幼児期での気質的特徴と児童期・思春期・青年期での気質および性格的特徴との長期的関連構造方程式モデル(自己相関モデル)を用いてについて検討をしたところ、特定の特性次元における弱いながらも乳児期から青年期に至るまでの気質と性格の弱いながらも長期的に有意な連続性とともに、児童期から思春期への個人レベルでの変化性が示され、子ども期のパーソナリティの発達には安定性と変化性の両方のメカニズムを検討していく必要性が討論された。また、乳児期から青年期までの問題行動の発達に関する諸測度(精神科診断面接、問題行動チェックリスト:Child Behavior Checklist, Achenbach & Edelblock,1991;自己記入式抑うつ尺度:Self-Rating Chid Depression Scale, Birleson,1986)の構造分析を実施し、子度も期を通じた問題行動の多様な発達パターンについて検討をおこなった。
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Research Products
(4 results)