2002 Fiscal Year Annual Research Report
「ニュー・エコノミー」の比較ジェンダー分析-高齢社会のサービス化、情報化と格差問題
Project/Area Number |
14310073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大沢 真理 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50143524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 祐子 日本大学, 経済学部, 助教授 (40286191)
ロバーツ グレンダ 早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (40308242)
田中 和子 国際基督教大学, 教養学部, 助教授 (60217015)
合場 敬子 明治学院大学, 国際学部, 助教授 (50298056)
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Keywords | ジェンダー / ニュー・エコノミー / グローバル化 / 規制緩和 / 再規制化 / 福祉国家 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究では、2002年8月末に東京大学で海外共同研究者との研究会を集中的に開催した。また、研究の中間的成果を広く社会に還元し、研究グループ外部からの意見等を反映するべく、9月3日に東京大学において、公開シンポジウム「グローバル時代の「ニュー・エコノミー」-日米欧の比較ジェンダー分析」を開催した(第17回東大社研シンポジウムとして開催)。この論点は、雑誌『現代思想』31巻1号(2003年1月号)の特集「トランスナショナル・フェミニズム」として発表された。 本研究は、経済グローバル化のもとで、「ニュー・エコノミー」として生じているとされる産業構造や労働組織など変化について、英、独、米および日本について、ジェンダー関係との関連を比較分析するもの。たとえば、産業や労働の組織の「フラット化」や「柔軟化」が語られながら、じつは社会的格差の拡大が懸念されること、また、近年の規制改革や福祉国家改革のベクトルでも、規制緩和や民営化ばかりではなく、再規制化やセーフティネット強化の要素が見逃せないこと、これらの事象のいずれもジェンダー関係と交差していること、が指摘される。対象4国は、今日の世界経済で大きな比重をもち、かつ相互に意味ある好対照をなしている。なにより4つの国は、異なる性格のジェンダー・レジームを持っている。アメリカは女性の就業を促進する方向に最も進んでおり、日本は女性の世帯内役割を最優先するジェンダー・レジームであるように見える。福祉と産業労働、家庭を横断するジェンダー・レジームは、収斂しているのか、あるいは強い経路依存性のもとで分岐しているのかなどの論点が、本研究で解明されつつある。 国レベルの制度ばかりでなくミクロレベルでも、仕事と子育ての両立支援に関する公私の制度の利用実態、および家庭内ジェンダー関係について、詳細な聞き取り調査を行い、社会学的文化人類学的分析を進めている(796宇)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大沢真理: "日本の福祉国家とジェンダー-小泉改革は「主婦の構造改革」か-"現代思想. 31巻1号. 80-85 (2002)
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[Publications] 大沢真理: "「男性稼ぎ主」型から脱却できるか-問われる税・年金改革の方向"世界. 711号. 94-101 (2003)
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[Publications] 大沢真理: "働く女性と税制・社会保障"現代のエスプリ. 2003年4月号. 184-197 (2003)
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[Publications] Mari Osawa: "Japanese Government Approaches to Gender Equality since the mid-1990s"Occasional Paper Series, Wayne State University, College of Urban, Labor and Metropolitan Affairs. No.9. 1-17 (2003)
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[Publications] 大沢真理: "男女共同参画社会をつくる"日本放送出版協会. 252 (2002)