糸賀一雄と近江学園リーダーの思想と実践に関する歴史的実証的研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14310102
• Research Institution: Japan College of Social Work
• Principal Investigator: 京極 高宣 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (40097069)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 蒲生 俊宏 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 助教授 (60297976) ; 植村 英晴 日本社会事業大学, 社会福祉事業研究所, 教授 (10307978) ; 佐藤 久夫 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (60120755)
• Keywords: 糸賀一雄 / 近江学園 / 社会福祉法人大木会 / 歴史 / 資料保全 / ヒアリング調査 / 分析視点

Research Abstract

1.史料の保全と整理
社会福祉法人大木会所蔵の直筆原稿を中心とした糸賀一雄関連史料、ならびに滋賀県立近江学園所蔵の写真史料の保全と整理について6回の出張調査を実施した。糸賀一雄関連史料については清拭作業の上で長期保存用の封筒、文書箱に収納し、昭和8年から昭和43年まで(執筆年未分類を含む)の全数についての整理と目録化を完了した。また、写真資料についても清拭作業の上で長期保存用の写真用アルバムに収納し、昭和21年から昭和56年(『糸賀一雄著作集』発刊の前年)まで(撮影年未分類を含む)の全数についての整理と目録化を完了した。これら史料のデジタル化については、原史料の保全を中心とした構築の具体化に向けた環境整備を行い、作業シミュレーションの段階まで到達したものの、例えば5,000枚を超える写真史料についての全工程の遂行は今後の大きな課題として位置づけざるを得ない状況である。
2.ヒアリング調査ならびに現地調査
故・糸賀一雄夫人、故・田村一二夫人、社会福祉法人大木会理事長、滋賀県立近江学園関係者へのヒアリング調査を実施し、糸賀一雄をはじめとする初期近江学園における人物や実践に関する多くの示唆を得た。また、大木会理事長の協力の下に石山学園、三津浜学園、近江学園をはじめ、糸賀一雄ならびに初期近江学園に縁の深い場所についても確認することができた。
3.関連資料の収集・整理と分析視点の再構築
『近江学園年報』をはじめとする学園の編集による資料や『追想集糸賀一雄』等の初期リーダーの追想集類の収集と整理から、糸賀一雄を中心とした初期近江学園における人物の動向を俯瞰し、上記の成果と合わせて、例えば「養成」や「女性」といった分析視点の再構築を試みた。