2002 Fiscal Year Annual Research Report
アジア諸国におけるグローバリゼーション対応の高等教育改革戦略に関する比較研究
Project/Area Number |
14310120
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大塚 豊 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00116550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 利文 大分大学, 教育福祉学部, 教授 (20173239)
西野 節男 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (10172678)
馬越 徹 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (60000030)
杉本 均 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50211983)
アーナンダ クマーラ 鈴鹿国際大学, 国際学部, 教授 (00271396)
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Keywords | グローバリゼーション / アジア / 高等教育 / COE / IT教育 / 外国語教育 / 民営化 / 産学協同 |
Research Abstract |
本研究は、"グローバリゼーション"がアジア諸国の高等教育に及ぼした影響と、それに対する各国の対応を比較の手法を用いて実証的に研究することをねらいとしており、今年度は以下の活動を展開した。 第一に、6月に中国、韓国、台湾、インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシア、タイの各対象国分担者が一堂に会して研究の枠組み・理論構築のための検討を行った。そこでの討議を通じて、グローバリゼーションの含意に関する認識の統一を図り、研究の焦点を以下の諸点に絞った。すなわち、(1)各国の政府レベルでのグローバリゼーションに対応する高等教育重点政策の把握、(2)各大学における運営の特質、とくに行政当局との関係、運営裁量権の拡大の度合い、民間企業との協力、特徴的なカリキュラムと教授方法の把握、(3)世界的研究拠点(COE)となるための具体的措置の把握、である。 第二に、各国研究班は相互に連絡をとりつつ、関係資科の収集整理をすすめ、上記の共通の研究枠組に従って基礎分析を行った。 第三に、台湾、中国、インドネシア、マレーシア、シンガポール、インド6か国・地域については、各国をそれぞれ1〜2週間訪問し、上記課題に関連した資料・文献を収集するとともに、高等教育改革推進の政策立案・実施者、各国・地域のCOEとなっている大学の管埋者と面談し、改革戦略遂行の実態把握に努めた。 これらの成果は3月の全体会に持ち寄られ、横断的比較検討を進めた。その結果、各国に共通に見られる現象としては、(1)国際競争力をつけることが重点目標となっており、(2)そのため選ばれた特定大学への予算の重点配分による機関間の差別化が進んでおり、(3)少数の研究型大学の構築が急がれ、(4)全体としてはIT教育および外国語教育の充実が図られていること等、が確認された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 大塚 豊: "中国の大学の構造変化"IDE現代の高等教育. No.441. 5-11 (2002)
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[Publications] 大塚 豊: "中国:学校設置形態の多元化と公立学校"比較教育学研究. 第28号. 41-52 (2002)
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[Publications] 大塚 豊: "中国の才能教育-90年代の大学少年クラスの動きを中心として-"麻生誠編『教育上の例外措置に関する基礎的研究』. 32-48 (2002)
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[Publications] 馬越 徹: "アジアの私立大学と大学評価-各国比較の観点から"私立高等教育研究所報告書. 5月号. 31-57 (2002)
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[Publications] 杉本 均: "マレーシアの大学教育におけるグローバリゼーションとコアカリキュラム"大学教育学誌. 24巻1号. 40-45 (2002)
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[Publications] 平田利文, 森下稔: "タイの大学における単位互換に関する調査結果報告"二宮晧編『短期学生交流における単位認定・互換に関する基礎的調査報告書』. 99-142 (2002)
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[Publications] 馬越 徹: "韓国の社会変動と教育改革に関する研究"(財)日韓文化交流基金. 160 (2002)