2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310124
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高須 一 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10236218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 容子 鳥取大学, 教育地域科学部, 助教授 (20283963)
安達 真由美 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30301823)
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Keywords | 創作活動 / 音楽的発達 / 縦断的研究 / 横断的研究 / 相互作用 / ディスコース分析 |
Research Abstract |
平成14年度は、幼稚園、小学校、中学校における創作活動の実態解明のための準備期間として研究を実施した。まず、創作活動における発達に関する先行研究の調査並びにその知見を得るため、小川と高須が7月に国際学会に出席し、文献の収集と専門家との意見の交換を行った。それを元にアンケート実施計画を練るとともに、予備研究の計画を立てた。アンケートは、11月に広島県、山梨県、鳥取県で行い、創作活動の実態を解明すると同時に予備的実験授業を実施する幼・小・中学校の選定を目的に行った。アンケートの回収率は、29%であった。アンケートの結果、幼稚園では、自由な音楽創作活動はほとんど行われていなかった。小学校では17%が、中学校では11%が何らかの音楽的創作活動を行っていることがわかった。このことから幼・小・中学校を通して、創作活動がまだ十分に浸透していない実態が明らかとなった。 アンケートの回答を元に、創作活動における子どもの発達を解明するための予備的実験授業を実施する学校を選定し、実施し、分析を行った。予備的実験授業は、11〜2月の期間、鳥取県と広島県の小学校1校(鳥取・広島で2、4、5年生を対象)で実施した。授業の前後に子どもへのアンケート調査を行い、授業後に教師へのインタヴューを行った。授業は、VTRで録画し、子どもの言語的・音楽的ディスコース分析を行った。アンケート調査、インタヴュー、ディスコース分析の結果から、以下の点が明らかとなった。すなわち、(1)子ども同士の相互作用及び教師の指導が音楽作品に影響を与えていること、(2>グループ編成が創作活動に影響を与えていること、(3)音楽的経験の有る(無い)子どもや音楽が好き(嫌い)な子どもが独自の役割を果たしていること、(4)教師の創作活動に対する経験が影響を与えていること、などである。
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